68b.jpg生産部統括部長 早坂洋一さん

樹脂成形金型でモノづくりを支えたい
~海外にも拠点を持ちあらゆるプラスチック成形に応える~

●どのようなモノを造っていますか

 金型製作を主として、プラスチック成型品も生産しています。プラスチックであれば金型次第でどのような形でも作れます。当社の製品は、家電製品や自動車、OA機器向けが多いのですが、その他にも多種の製品の金型を製作しています。
 当社は東京にも工場を持っています。本社工場と新庄工場の機能には差がなく、両方で金型と成型品の生産を行っています。その他に韓国、中国など海外にも拠点があり、当社で製作した製品は海外にも数多く出荷されています。

●海外に拠点がある理由は

 自動車や家電など、今では日本のメーカーでも海外に生産拠点を持つています。また、金型というのは、製作後に納品で即完了ということはほとんどなく、発注者の設備や機械に装着して問題のない成形品が生産できることを確認してはじめて納品完了となります。何度となく調整しますので、当社の拠点も発注者のメーカーエ場の近くにある方が好都合なためですね。

●最上で仕事をしてのご感想は

 私は大蔵村の出身で、最上地域は生まれ故郷です。しかし、道路アクセスや冬季の雪の多さなど、製造業を営む上では不利な地域だと思っています。対策としては、当社工場に同業他社も含めた協力会社のネットワークを活用して、全国各地の注文に対して最適な対応をとることで地理的不利をカバーしています。

●金型製作で難しい点は

 金型というのは、いくら設計通りの寸法に完壁に仕上がっていても、そこから生み出す樹脂製品がダメであれば意味がないのです。お客様は金型そのものが欲しいのでなく、希望通りの寸法の樹脂製品が生産できることを期待しています。材料の樹脂が入りやすく取り出しやすいことや、熱い樹脂が冷めていく段階で不具合が起きないことなど、成形をトータルで考える必要があります。それが金型づくりの難しさだし、面白いところでもあります。

●事業の課題は何でしょうか

 最上地域の若者に対して「ムトウという会社がここにあって様々な仕事をしています。」というアピールが足りないように思います。金型は、樹脂成型産業で欠かせない役割を持っていますが、裏方的存在でもあるため知らない方も多いのです。
 山形県内でも金型メーカーは数が少なく、そのため経験者もほとんどおりません。ですから、社員の新規募集では全くの未経験の方が多く来られます。

●どんな人を求めていますか

 昔は、金型完成品の微調整には手作業の工程が多かったため職人の仕事という印象もありましたが、現代ではコンピュータによるCAD/CAMで行います。そのため、職人の腕を持つよりも、最新設備を使いこなせるかどうかが大切です。もちろんその上で金型経験者であれば大変嬉しいのですが、CAD/CAMでの扱いはむしろ未経験の若い人が向いていると思います。

●若い社員の成長に何が必要ですか

 当社はISO(国際間の取引をスムーズにするための基準となる規格)を取得しており、製品の質についてのミスは許されません。ですが、製品の質を上げていくためにはへ日々の製作作業の中で時には失敗もすることによって成長していくことも必要です。まずは挑戦してみる。失敗したとしても、それは大事な経験です。
 一方で、会社として間違いのない製品を出すことは最も重要なことですから、失敗した時には素直に報告して、会社全体でカバーするということになります。当社として求めている人材像は、失敗は会社にきちんと報告し、自分の糧として成長できる人です。自分自身で出来ること、出来ないことの区分けがある人が望ましいですね。


68c.jpg2014年度入社 横山祥吾さん

●仕事の内容を教えてください

 金型の加工を担当しています。材料の金属から、フライス盤やワイヤー放電加工機などの加工機械を使って金型まで仕上げ、その後に手作業での修正も行います。
 当社にはさまざまな加工機械がありますが、次にほどこしたい形状によって使用する加工機械が違います。日々の製作作業では、自分が担当している金型の工程だけでなく、同僚が手掛けている仕事も見ながら、加工機械の空き具合を確認して使っていきます。

●この仕事に就いた経緯は

 もともとモノづくりが好きでした。私は新庄の出身で、学校を卒業してから県外の半導体製造メーカーで働いていました。その後地元に帰ることになり転職先を探している時に、こちらの会社を知り、入社しました。
それまでに金型に触れたこともない全くの未経験でしたが、同僚や先輩に作業の仕方やコツを伺いながら少しずつ慣れていき、現在では一通りの作業をこなせるようになりました。
 自分がひとつの金型に向き合い、手掛けて完成させていく工程は楽しいですし、その作業を任されていることにも、責任とやりがいを感じます。

●作業に必要なことは

 金属を削ったり磨いたりすることは、やり直しができない作業ですから、間違いのないようにしっかりと集中して作業にあたっています

●集中力を高めるには

 目の前のことに集中するのは、凝り性でもある私の性格からだと思います(笑)。この性格を活かし、仕事のことだけに没頭させてもらえる環境を作ってくれる会社のお陰でもあるのかなと思ってます。

●社会人になって良かった事は

 毎月給料をいただけるわけですから経済的な自由度が増します。欲しいものが買えたり、自分でできることの範囲が広がります。
 この仕事は作業の納期がとても重要ですから、急ぎの時には残ってでも終わさなくてはなりません。そういう厳しさはありますが、がんばって良いものを造ったときには気分が晴れ晴れしますし、がんばったぶんだけ給料に反映されます。ただ会社に来て帰宅時間まで過ごすというような漫然とした考えは通用しません。給料をもらいに来るのではなく、良い仕事をして対価を得るという気持ちが大切だと思います。

 

【先輩からひと言】
金型はモノの製造にとって欠かせない重要部品。なかでも、世の中にあふれるプラスチック製品のほぼすべては、その形の鋳型(いがた)である金型から生み出されます。