41b.jpg常務取締役 高橋聖子さん

ほっとできる風土を大切にしたい
~地域環境を大切にしながら観光資源としても~

◆どういったサービスを行ってらっしゃいますか

 当方は旅館ですので、お客様にゆっくりおくつろぎいただき、日頃の疲れを癒していただきたいと思っております。 また当地には特別際立った観光地や施設はありません。なんといっても温泉が当地の代表になりますので、お越しいただいたらまずはゆっくりお湯にお入りいただきくつろいでいただければ、何よりの幸せと考えています。 
 当社の前身と言いますか、ご先祖様は、江戸時代に戸澤藩のお殿様が温泉に入っていただく際のお湯を守る役割を担当した者が開祖創業したと聞いています。その後に旅館になったのは明治時代ですね。

◆ご出身はどちらですか

 私は横浜の生まれで、当地に嫁いでまいりました。私自身は普通のサラリーマンの家庭に育ちましたが、夫と大学で知り合い結婚を機に、思いもかけずこういった仕事に就いたということになりますね。子どもが小学校に入るまでは子育てで旅館の仕事はしておりませんでした。

◆それはきっかけがあってですか

 平成14年、天皇皇后両陛下が当館にお越しになられたのですが、その際、食事を給仕するのは経営者家族が、とのご指示を受けまして、それが直接のきっかけになりました。

◆最近もありましたね

 はい。昨年は皇太子様がお越しになられました。大変光栄なことと社員一同深く感じております。

◆最上地域のご感想は

 嫁いで来た当時は、テレビのチャンネル数や周囲の店舗数など都会に比べれば情報網が少なかったとも思いましたが、今はインターネットもありますし、都会との差はほとんど感じませんね。それどころか、たまに実家に行くと、人が多すぎて息苦しく感じます(笑)。もう私も、実家で育った年月よりもこちらにいる時間の方が長くなりましたし、今は最上がしっくり馴染みます。
 それに、都会に行くとみなさん疲れた顔しているなぁなんて感じるんですよ(笑)。それを見ると都会の方は、田舎に癒しを求めていらっしゃるのだと強く思います。

◆今後の地域との関わり方は

 地元の若い方になるべくたくさん勤めていただきたいですね。でも実際のところは新卒募集をしてもあまりいないんです。 若者の数が減っているので、就職を目指す若い方の絶対数も減っているでしょうけれど、ちょっと寂しいなという気持ちがします。

◆最上の若者が他と違うところは

 皆さん控えめですよね。人だけでなく、自然も食べ物も、いい素材はあるのにどこか控えめだし、宣伝下手なところがある気もします。でも知っている子はみんなとってもいい子ですよ。私の若い頃と比べるとすれてないというか、とてもめんこいですね。人懐っこくて真面目で、お話をしても、ほっとできるような安心感があります。それは子育てや若者の成長に関して、地域の雰囲気や風土が根づいているからではないでしょうか。

◆若者に求めるものは何でしょう

 もうちょっと積極性を持っていただければ嬉しいですね。言われた部分は間違いなくこなせるけれど、そうでない部分は自ら考えて動くということがなかなか難しいと感じているように思います。それを意識して、自分から仕事を見つけ出していくような、そんな目を持っていただいたら良いんじゃないでしょうか。
 自分で課題を見つけ、それをどうやったら解決できるのか、自分なりの考えを持つこと。これは旅館業に限らず、社会のどんな場所にいても大事なところだと思います。

◆仕事で不安になる事はありますか

 いつだって不安です、今だってそうですよ(笑)。ただ、お客様が笑顔で良かったと日々言って下さるその言葉やお顔を拝見するのが、何よりの励みです。笑顔でお帰りになられた時にはそのたびに、この仕事をやってて良かったと感じるんですよ。


41c.jpg平成21年度入社 山田桃子さん

◆こちらに勤めて何年になりますか

 私は最上町の出身で25歳になりまして、入社して6年目になります。東京とかの都会に出たいという気持ちはもともとなく、地元で働こうと決めていました。ただ地元では求人が少ないですよね。
   
◆入社までのいきさつは

 ここの出身ですので、生まれた時から観松館を知っていました。高校生ぐらいの時には、旅館で働くイメージとしてとても華やかというか、キラキラしている印象がありまして(笑)、それで地元のこのホテルで働きたいと思い入社を希望しました。
 私は高校の部活動で吹奏楽をやっていたのですが、そこでの挨拶の習慣や先輩後輩の上下関係、目上の方への話し方は、社会に出る時にすごく役立ったと思います。
 今、仕事仲間は16人で、全員女性です。みんなとても仲が良くて休憩時間のおしゃべりもすごく楽しいですよ。

◆どんな仕事を担当していますか

 仲居ですので、お客様に料理を提供したりご案内したりなどの接客業になります。担当は自分の持ち場となる部屋が決まっておりまして、通常はひとりで3組ほどのお客様を持ちます。
 私は人とお話することが好きですので、来られたお客様と話が盛り上がったりする時とか、お客様の楽しそうな笑顔を見ると自分も楽しいですし、なによりやりがいを感じます。
 また、当館のお客様には地元の方も多くて、私の子どもの頃を知っているお客様だったりすると「桃ちゃん、大きくなったねぇ。」と いう話になったりして(笑)そんな時は何となく嬉しいですね。反面いろいろなお客様が来られる分、聞かれることも様々ですので、臨機応変に対処することが問われる大変さもあります。

◆どんなことを聞かれますか

 景色の良い場所や紅葉の見所などが多いですが、その他にも、当館で使っている調度品の製造元を教えて欲しいと言うお客様もいました。それに稀にお体の具合が悪くなられるお客様もおられます。一番先にお話を受けるのが仲居ですので、そんな時にはどういう対応がお客様にとって最適なのかを、常に考えながらの接客となります。

◆普段の生活スケジュールを教えてください

 朝は6時過ぎに起きまして、7時半までに出社します。それから10時半までが午前の仕事になり、そこから16時まで中休みになるんですね。その後、午後の仕事は16時から22時までというのが基本的なシフトです。

 仕事を終え家に帰り、家族や自分の時間を過ごして、夜の1時には就寝しますが、初めはこういう仲居さん独特の仕事のリズムに慣れるのが大変でした。でも、この仕事を通して、いろいろなマナーや作法、料理についても学べますので、これもこの仕事に就いて良かったと思う点です。
 私は社会人になってから、もっといろんなことに挑戦したいという気持ちになりました。
社会や世の中のことをもっと知りたいという気持ちがあります。これからいろんな経験をしてみたいですね。

◆後輩へアドバイスをお願いします

 学校を卒業して社会人に出るのって、少し怖かったり踏み出すのに躊躇したりとか勇気がいりますけど、構えなくても大丈夫だよと言ってあげたいです。やっぱり地元は働きやすいし、周りの人に助けてもらったり、そんな風に最上は優しいところですから。

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お客様をご案内後、お茶をお出しします