19b.jpg代表取締役 奥山茂智さん

最上の潜在力をもっと活かしたい
~食品加工で地元農産品に付加価値を高める~

◆どのようなものを作っていますか

 当社は、山菜などの地元農産品も使って総菜を作っている、食品加工会社です。最上町の本社工場では、調理加熱惣菜を中心に全国へ出荷しております。仙台にも工場を2カ所に持っておりまして、そちらでは惣菜の他にカット野菜キッド惣菜を中心に事業運営を行っております。野菜中心の工場ですので消費期限が短いことから東北地方を中心に納品しております。また、年間休むことなく工場を稼働することから、全国の生産者の方々から広く野菜を仕入れさせていただいております。

◆起業した経緯を教えてください

 当社は私の父が創業しました。父は農家の出身で、野菜を作るだけではなく、加工し販売しようと仕事を始めたのがこの会社の原点です。今で言う6次産業化の走りですね。
 私は父より会社を受け継いでから25年になりますが、従業員やお客様、地域の方々に助けられなんとかやってこられました。

◆特に重要視されている点は

 会社の中には、特に重要視している「衛生管理」と「開発」の2つの部署を設けています。人の口に入る食品を扱う仕事ですので、何よりも衛生管理が大切です。本社に3名、仙台に2名の品質管理グループを置き、出荷するすべての製品に対して目を光らせています。
 また、当社はISO22000を取得しています。これは、厳格な食品品質管理を証明する国際規格で、取得しているところは、県内で数社、最上郡内でほとんど無いと聞いています。一概にお惣菜と言っても春夏秋冬の季節に合った商品を提案するという姿勢ですので、開発部門では、本社と仙台工場のそれぞれ3名の女性開発スタッフに様々な加工食を絶えず開発してもらいながら、新しい商品をお客様のもとにお届けするという体制にしています。

◆女性が多い職場と伺いました

 はい。社員の約8割が女性です。日々の生活で食品を購入する機会が多いのはやはり女性ですから、食品製造や新商品開発でも、どのようなものがお客様に喜ばれるのか、女性の視点というのはとても大切だと思っています。

◆最上地域の感想は

 もったいないなという感想です。本来であれば最上地域が生産する素晴らしい農産物をもっと活用できるはずですが、なかなか活用しきれていません。これは直接食べる消費者ということだけではなく、私たちのような食品加工メーカーの努力もまだ足りないのではないかと反省するところですね。例えばアスパラガスや里芋といった知名度の高い農産品は、旬の時期に高品質の青果として出荷していますが、規格外品の多角的な利用については、まだまだこれからと思っています。

◆今後の見通しを教えてください

 全国の産地を訪れているのですが、どこでも後継者問題に悩んでいると実感します。農業がもっと魅力のある産業にならない限り、若い方がこの職業を選ぶという事は難しいでしょうし、もし農業が衰退したりすれば、それは我々食品加工業にとっても大変に困ることですので、今後の先行きを心配しています。

◆農業を巡る環境は激変しています

 はい。貿易環境の国際的な変化で今後稲作が占める割合が変わってくるのは避けられません。さらに農業に携わっている方の高齢化も年々進んでいますから、これから最上地域がどれだけの農産物を作り出していけるのか不安な面もあることは確かにあると思います。
 ただ、農業の担い手のなかには、運営する組織のあり方や、耕地面積について、これまでにない新しい考え方を持つ人も出てきています。そういった新しい力が、各地に広がる休耕田や耕作放棄地を有効に利用すれば、最上地域の高品質な野菜をもっともっと作っていけるはずですし、そのキャパシティーはかなり大きいと思っております。
 今後の農業や食品生産は、決して楽観できない状況がある一方で、大きな可能性も秘めている、チャレンジングな分野だと考えています。


19c.jpg平成25年度入社 矢口詩栞さん

◆担当はどんな仕事でしょうか

 品質管理を担当しています。当社はISO22000という食品安全に特化した規格を取得しています。これは食品製造のプロセスごとに安全確認し、お客様にもその情報を提供できるといった一連の仕組みで、HACCPシステムと似てとても厳格な規格です。それに沿って、製造する食品の安全性を確保しながら、情報をお届けできるように管理するのが、私の役割になります。この規格を運用していくために、仕入れた原材料の産地証明書や残留農薬、放射性物質に関する証明書などを取得して管理することも業務の一つですし、また、製品の細菌検査で顕微鏡を覗き込むこともありますね。

◆こういった職種を志したのは

 私は、もともと栄養士を目指して福島県の短期大学で勉強していました。その、進学して県外にいた頃から、将来は地元に戻りたいと考えていましたので、卒業後には、食品関連の地元企業を探して、この会社に就職しました。
 就職活動では、ハローワークでこの会社を知った後、ウェブサイトでさらに調べたのですが、特に惹かれたのは地域のために仕事をしていこうという会社の姿勢でしたね。

◆入社の時にはどんな自己アピールしましたか

 品質管理部門での求人でしたので、学んできたことが役立つのではと思いました。そこで、この仕事をやりたいという熱意を話して、さらに短大で学んだことを生かしたいという私の希望を前面に出して、とにかく自己アピールしました。

◆入社後大変だったことは

 学校でいくら学んできたとはいっても実社会ではまた違うことも多いですし、環境も全然違います。今も学ばなければいけない事は沢山ありますから、気は抜けませんね。

◆どのような勉強が必要ですか

 ISO22000の参考資料を読んだり、わからないところは教えていただいたりなどしています。また、日常業務でもわからないことがあったら必ずメモしておき、先輩に伺ったりしています。気がついたことをすぐにメモして自分の行動に役立てるという習慣は、学生の頃のアルバイトでいつの間にか身につきました。
 そのようにアルバイトやインターンシップなどで活動しながら、良い点を見つけて積極的に取り入れていくというのも大切だと思います。

◆後輩へアドバイスをお願いします

 就職活動は、いろいろな情報をこまめに得ておくことが後で活きます。また、仕事の内容や会社の姿についてわからないことがあったら、電話で問い合わせたり、ウェブサイトを丹念に調べて、インターンシップなどの機会で実際に体験してみるなど、どれだけ具体的に行動したかで、その後の社会人になってからの充実度に影響があると思います。
 地元は都会ほど企業が沢山あるわけではありません。自分の学んできたことが仕事で活かせるのか、または自分がやりたいことと合うのかを含めて、ハローワークの求人票に書いていないような細かい事でも積極的に情報を取っておく、納得いくまで自分で調べるという積極的な準備をしておくと良いと思います。

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食品の品質検査

19e.jpg証明書の管理業務