56b.jpg代表取締役社長 大場誠一さん

若い社員の自由闊達さを活かしたい
~新技術を積極的に導入し地域のインフラを造る~

●どのような会社でしょうか

 当社は真室川町にある建設会社です。最上郡北部を中心に、生コンクリートや骨材(セメントに混ぜる石材や砂)の製造販売と県や市町村などの公共工事、また民間建設工事を行っています。
 公共工事は、山崩れの際の土石流を防ぐ砂防堰堤(さぼうえんてい)や橋の建設、子育て支援住宅の建築、道路維持管理や冬期の除雪作業などです。民間建設工事は、携帯電話や電力会社の鉄塔基礎工事を多く手掛けています。
 当社の創業は1959年で、私の祖父が骨材の製造販売から起こした会社です。私は3代目の社長で、就任して3年目になります。

●学生時代にこの会社でアルバイトをされていたと聞きました

 はい。高校生の時にしていました。それは、将来、会社を継ぐためとの意識からではなく、ただお小遣い欲しさにアルバイトとして現場を手伝ったのが最初です(笑)。その後、現場の親方から「また来てみないか」と声を掛けていただき、長く現場で経験を積むことができました。年上の人たちと仕事をし、昼食や休憩を一緒に過ごすなかで、良い仕事のためには、まず良い人間関係を作ることだと感じました。
 父が急に他界し私がこの会社を引き継ぐことになりました。現場でアルバイトをしていた経験が今でも活きています。 社長業は社内だけでなく、取引先や行政、金融機関や商工会など、広く関わりを持ちます。
若い頃に多くの現場で初対面の方々と関係を築きともに仕事をしていたという経験が、今の仕事の糧になっています。

●将来のビジョンは

 当社では、社員がそれぞれの役割をきちんと果たしてくれています。長年この地域に根ざしてこれたのは、こうして皆に支えてもらえた故と感謝しています。今後も、社員をまず第一に考えながらしっかりと仕事をしていきたいと思います。
 工事の量は時代とともに変化します。これまで培ってきた縁やお付き合いを大事にしながら、会社として仕事を確保するのが私の役割だと考えています。
 さらに、建設業の担い手が少なくなっている現状もあり、若い世代に建設業を知ってもらう活動にも、もっと力を入れていきたいと思っています。

●今の若者の印象はいかがですか

 今の若い人はコミュニケーション能力が乏しいと言われがちですが、当社の若手社員からはそんな感じは受けません。むしろ、周囲となじむことが上手で、年上の人に対しても遠慮せずに物事が言えているように感じます。
 各現場の親方は面倒見の良い人が多く、融和を図ることの大切さをわかっている人ばかりです。親方が、若い人たちが何でも言える環境を上手く作っているのでしょう。おそらく、それが当社の若手社員の自由に話せる雰囲気につながっているのではないかと感じています。

●若者に求めるものは何でしょう

 東北各地の現場で他地域の人ともお話します。休まず最後まで仕事をするというのは、豪雪地帯生まれならではの粘りを持った、私たち最上人の美点です。その誇りとともに、この仕事は地域住民の生活や安全を支える大事でやりがいがある仕事だと知っていただきたいと思います。
 そして、建設業を志す人には、まず「やる気」と「健康」を第一に、仕事で「チームワーク」を持てることが大切です。工事では、時には危険を伴う現場もあります。チームワークとルールを守れる人であってほしいですね。
 最近の建設業は、ドローンのような新しい技術が入ってきて、仕事の面白さが増しています。ぜひ、やりがいと楽しさを求めて、建設業に入ってきて欲しいです。


56c.jpg2013年度入社 原島芙幸さん

●この会社に入ったきっかけは

 父が土建業に勤めていたこともあり、小さな頃からこの仕事になじみがありました。休みの日に父に職場に連れて行ってもらったこともありました。
 高校を卒業し、就職先を探していた時に、求人票の仕事内容に「管理」という言葉を見て、建設業に具体的な興味を持ちました。建設会社に就職し、現場監督を務めてみると、現場全体を見て工程の管理や段取り、原価の管理をする仕事があり、それまで持っていた「土木」のイメージとの違いに驚きました。

●この仕事の大変さは

 現場に関する様々なことを常に気にかけ、全体を見なくてはならない仕事で、やるべきことが多くとても大変です。例えば、交差点付近の道路を広げる工事などは、交通量も多い現場ですし段取りが頻繁に変わることも珍しくありません。交通を止める時、交通規制や信号の切り替えのためには、警察との打ち合わせが必要です。さらに、掲示物を一般車両から見てどう配置すべきかまで考える必要もあります。私は、高校の普通科卒業で、建設業界のことを何も知りませんでしたので、こういった段取りに関することを一つ一つ覚えるのが本当に大変でした。入社した当初は正直「辞めたい」と思うことが何度もありました。

●どう乗り越えましたか

 そんな辛い時に、家族から「立ち止まってもいいからよく考えてみたら」とアドバイスをもらい、気持ちが吹っ切れました。嫌でもとにかく仕事に通い続けることです。すると、自分の嫌だという感情に次第に慣れてきて、そのうちに知らずに壁を越えていたということもあります。またしばらくすれば、次の大変さがやって来ますが、そうやって向き合っているうちに、少しずつ何でもできるようになりましたね。

●後輩へのアドバイスを

 社会に出ると、学生時代に比べて大変なことが多く、時には理不尽なことで怒られたりする場面もあるかと思います。普段から、自分と向き合い、自身について客観的に考えられるようになっているのが良いと思います。そうすれば、社会に出てからも、周囲の話を聞く素直さや、困難に直面しても、簡単に折れたりせずに乗り越えられる「心の耐久性」を持てるのではないかと思いますね。

【先輩からひと言】
「忙しい仕事もあります。できるだけストレスを溜めず、明るくすることで工程管理がスムーズに。身構えないのがコツ。」


【おしごとPoint!】
建設業は、公共工事や民間工事を通じて様々な人たちと関わりを持つ仕事です。
現場監督は、関係者たちとの間で、打ち合わせや会議などコミュニケーションが必要な機会が多くあります。