代表取締役 京野秀明さん
看板で企業や地域の印象を高める
~多様な看板と立体広告で印象的なサインを提案~
◆どういった会社ですか
主に、看板の制作を行っています。一口に看板といっても様々で、立体のものや、ロードサインと言われる道路の脇に立っているようなものもありますし、その他にも工事用看板、自動車の車体への文字入れなどもあります。一般的に人目につくところに表示するメッセージは、およそ看板と言えますので、様々な形がありますね。その他の立体物の作成も行っています。
◆創業の経緯を教えてください
私の父が興した会社で、父はもともと塗装工をしておりました。昭和40年に開業した際も、初めは塗装業でしたが、その後、徐々に看板に移行しまして、現在では仕事のほぼ全てが看板や広告です。天候に左右されがちな塗装の仕事よりも、屋内で作業工程を進められる看板の方が仕事がしやすいとの判断から業態を変更していったと聞いています。
私は、子どもの頃から絵を描いたり、何かをデザインすることがとても好きでしたし、家業が自分が好きなことに近い業種でしたので、就職して社会人になる頃も迷うことなく家業を引き継ぐと決めていました。
それで、高校を卒業してすぐに山形市の看板制作会社に就職し、修行をしてきました。
ただ、修行していた山形ではとても揉まれましたね(笑)。それは、いじめられたというわけではなく、仕事をたくさん預けられ頼りにされた結果、しばしば徹夜をして、納期が迫るプレッシャーの中でなんとか仕事をこなすという辛さでした。当時はとても辛かったですが、むしろ修行に来た私にとってはありがたい経験をさせていただいたと思います。現在であれば、そういった無理な業務というのはさせられませんが、若い頃に責任を与えられ、重圧に打ち勝った経験を持つというのは、その後の仕事でも間違いなく自信になります。
◆若者についてのご感想は
仕事の性質上、高いところに登ったり、塗料の臭いなどもありますが、目立つものを作り、お客様の仕事をお手伝いしたいという気持ちや、絵やデザインへの興味があれば、辛さも我慢できるし、仕事にもすぐに慣れると思います。ただそういう動機が無く、ただどこかに就職したいという気持ちだけでは、なかなか続かないというのも確かですね。
当社では子どもたちの見学やインターンシップを受け入れていますが、その子どもたちの中には、素晴らしい絵を描いたり凄い才能を持ったお子さんもいらっしゃいます。ぜひこういうお子さんには才能を活かして最上地域で活躍してほしいですし、当社のような職種やクリエイティブな業種で活躍してもらいたいと思います。
◆最上地域の印象はどうですか
みなさん優しい方ばかりです。こういう土地で仕事ができるのは幸せだと思いますが、他の地域では、同業のライバルも多いですから競争は激しいですよ。ですから、事業の対象を、最上地域内だけではなく山形県内、ひいては全国に展開したいと考えている方だったり、若い方が外に飛びだして発信していく時には、最上の優しさをありがたく感じながらも、自分の事業や仕事についてもっと厳しく自らを律する覚悟を持っていた方が絶対に良いし伸びると思います。経験から得た地域や技術を地元の仕事に活かして地域に貢献できる会社でありたいと思っています。
◆これからの目標を教えてください
店や企業があり、各々の場所で仕事をしている事を様々な人に知らせたいと考えている以上、看板というものはなくなりません。さらに、まず眼につくものとして、看板は企業や店の顔ですし、同時に他所から来た方にとってみれば、看板が織りなす光景は街全体の印象を左右する街の顔でもあります。これからも、お客様の仕事の印象を良くすると同時に、町全体の景観にも配慮して、良い看板をもっと作っていきたいと思っています。
平成21年度入社 京野拓矢さん
◆どんな仕事を担当していますか
看板の制作から取り付けまでを担当しています。その他に、時々お客様との打ち合わせに参加して、こちらから提案したり、ご要望を伺ったりすることもあります。
◆仕事の大変さは何でしょう
今では大体の事がこなせるようになりましたが、ひとつの仕事の納期が迫っている中で、また新たな注文が重なってきた時などは、どのように時間を使って仕事をこなしていったらいいかと大変に感じる時もあります。ですが、なんとかやりきり、完成した看板をお客様にお見せする時や引き渡すときなどは大変喜んでいただけますし、そういった表情を見るとやりがいを感じます。またお渡しした後も。前を通るときなどは気になります(笑)。
◆会社に入る経緯は
私は、高校を卒業した後に仙台にある看板業者に就職して、社長と同じように修行してきました。その会社では2年間、様々な業務を担当し、看板の受注から制作、引き渡しまでを経験しました。それは今の仕事に直結しますので、最適な作業の流れを工夫したり、仕事の考え方はとても参考になりました。地元に帰ってから入社し、7年目になります。
◆仕事で気をつけている点は
看板の制作は建築現場でもありますから、工事を依頼した建設会社とのやり取りと必要書類の作成と記入などの手続きや、実際の制作から運搬取り付けの日程までを効率よく進めるためにも、段取りがとても大事ですので、特に気をつけています。
◆これからどんな最上であってほしいですか
まず感じるのは、子どもが少ないことです。私は20代ですが、同世代の人がもっと地域を盛り上げていけるような新庄最上であったらいいなと思います。例えば、新庄まつりも大切ですし、商店街が元気を失ってしばらく経ちますが、そういったところも賑わって欲しいです。
◆今後の夢や目標を教えてください
まだ大きな夢というものはありませんが、仕事ではこれからもっと営業力が欲しいと思っています。今は制作と施工が主な仕事なのですが、さらに、実際に外を回りお客様から仕事をいただいてくるという営業の力を自分自身につけていきたいと思っています。
仙台で仕事していた頃に、腕の良い職人がいたとしても、仕事がなければそれも意味がないと、職場の先輩によく言われました。当社の制作技術を活かして、地元の企業のためにも、これから営業力をもっとつけていきたいというのが今の私の目標です。いつか、県内で大手と呼ばれる看板屋になりたいです。
◆後輩世代へのアドバイスを
自分でやりたいことや向いている特性をよく考えて、自分に合った職業に就くことが大事だと思います。
とりあえず就職のためと、あまり考えずに入った会社で嫌々ながら働くよりも、自分が持っているものを活かせる仕事をした方が第一自分自身も楽しいですし、世の中の役に立てるのではないかと思います。
立体広告物の作成