36b.jpg店長 伊藤芳彦さん

先進技術をもっと身近なものに
~自動車が持つ自由さを体感してほしい~

◆どのような会社でしょうか

 当社は、大手自動車メーカーのディーラーとして、新車や中古車の販売と点検、整備や補修、修理を行っております。昔は新庄市内に同じ自動車メーカーの販売会社が複数ありましたが、現在の社長の経営判断で、複数の販売チャンネルを一つに束ねる形で発足したというのが当社の開業の経緯です。社内では店舗同士の競争はありますが、それは販売を競うライバルであると同時に、同じ会社の仲間でもありますので、有益な情報は共有しながら、社の全体としてさらなるサービスの向上を競い合うという形です。

◆現在力を入れている点は

 自動車メーカーとして、パーソナルモビリティの便利さを提供するとともに、交通安全や環境対策といったことも取り組んでおります。当社としては、そういった課題への対策として、自動運転技術や電気自動車などの先進的な商品を提案していくことにこれからも注力していきたいと考えています。

◆店長の経歴を教えてください

 私は地元の工業高校を卒業した後、すぐに当社の前身の販売会社に整備士として入社しました。そこで10年間整備を担当した後、フロントと営業をそれぞれ10年ほど務め、当店の店長となってから6年になります。
 整備士は、お客様に安心してクルマを使っていただくために、不具合を見つけて直すとことが本業になりますし、フロントはお客様と接しながら、時には生じた不具合についてクレームを受け付けるという仕事です。
営業は、私が担当していた当時は直接お客様の家を訪問して調子を伺ったり、新しい情報を提供するという形が主流でした。
 接客業としてお客様と会話をして当社のクルマに対して良い印象持っていただくために、コミュニケーション力が求められますね。

◆コミュニケーション力とは

 お客様に対応するには、まず最初にお話しを受け止めて理解すること、さらに答えられる知識や経験があること、そして意思を上手く伝えられるスキルがあること、この3つが揃って初めてきちんと対応して答えが出せるということになります。どれか一つだけではコミュニケーション能力が高いとは言えません。
 私も常々社員に話しますが、お客様にきちんと対応し答えることで信頼関係が生まれ、販売は信頼の後についてくるものだということです。

◆モノを買っていただくというのは難しいことですね

 はい。販売というは大変難しいことで、それを新人の頃から求めるというのは少し無理があります。
それは仕事を始めてから徐々に身につくものだと思いますね。私たちが新人に求めるものは、素直な人柄、人の話をよく聞く姿勢、わからないことはみんなで話し共有できるということです。

◆現代の若者は昔と違いますか

 基本はそれほど違わないと思いますが、私が若い頃は、いつかはカッコいいスポーツカーに乗りたいなどという願望もありましたし、それが仕事への励みにもなっていたように思います。ところが、最近の若者は、常に身近に溢れているせいかクルマへの興味が少ないようですね。昔と現代で違う点があるとすればそういった時代背景でしょう。
 クルマというのは、季節や天候、昼夜に関係なく、いつでも自分の好きなところに向かっていける、いわば自由の象徴です。人生で一番自由を体感できる若い頃に自由のシンボルを求めないというのは、少しもったいないような気がしますね。
 私は、若い頃、気心の知れた仲間3人で東北6県をクルマで回ったことがあります。運転を交代しながらぶっ続けで走りました(笑)。多感な時期に、多少無理しながらも、自分の眼で見て肌で感じた経験というのは、いつまでたっても新鮮な感覚で思い出しますし、その後の人生の宝物になります。若い方には、もっとそんな経験をしてもらいたいなと思いますね。


36c.jpg平成24年度入社 中鉢俊紀さん

◆担当している業務は

 今は、主に点検と車検を担当しています。その他に、重整備と言いまして、エンジンやトランスミッションなどの主要な部品に関わる整備作業も行います。
 私は、子どもの頃から自動車の整備士になりたくて、高校の頃のインターンシップでもこちらの店舗に来て、仕事を体験させてもらいました。高校卒業後に自動車整備の専門学校で学びまして、卒業後すぐにこちらの会社に就職を希望して、入社しました。入って4年目になります。専門学校は仙台でしたので、そのまま仙台で就職することも一時期考えましたが、私の実家は農業も営んでおりまして、そういった事情から地元に戻ることを決めて地元に戻りました。

◆学生から社会人になる時に大変だった事はありますか

 学生は勉強が仕事ですが、時間割りややるべきことが決まっていますし、自分で自由に使える時間は多いです。その点、社会人になり仕事を始めてみると、必ずしも自分の思い通りに仕事が進むとは限りませんし基本的に、自分の時間やリズムを仕事の方に合わせていかなければならないこともあります。私も、自分のリズムを仕事に合わせることに慣れるまでは大変でした。就職してすぐの時期に、少し体調を崩したこともありましたが、今ではすっかり慣れてもいますし充実していますよ。
 私の場合、現在している仕事は小さな頃から好きだったことそのものですから毎日が楽しいですし、やりがいも感じています。

◆良かったことは何ですか

 私は人見知りなところがありまして、初対面の人と話すのは苦手でした。就職してからもお客様とお話しすることをなかなか難しく感じていました。ところが、日々の業務で繰り返していくうちに慣れまして、今ではいろいろな方と話せるようになりました。仕事で鍛えられたことで、プライベートな面でも友達や知り合いとも気軽に話せるようになりました。社会に出て苦手を克服したことで社交的になれたのだと思います。これから、この会社でさらに経験を積み、もっと上を目指して行けたらいいなと考えています。またそのために整備するための技術や正確さ、スピードをもっと追求していくことを目標にしています。

◆最近、ご結婚されたとか

 はい。相手は、現在の仕事を通して、当店のお客様になっていただいたことがきっかけとなり、それが縁となりました。とてもありがたいことだと思っています。

◆後輩世代へのアドバイスを

 私は、高校時代も専門学校の頃も、アルバイトを経験しませんでした。このように、学校という環境から突然社会へ出るのではなく、いったんアルバイトなどで仕事を経験した方が良いのではないかと思います。自分の体調を企業に勤めて仕事をするというリズムに慣らすこともできますし、その他にも、世の中にどのような企業があるのか、会社の見方を経験しておくなど、社会勉強という意味でも有意義なのではないかなと思いますね。

36d.jpgエンジンの点検整備作業

36e.jpg修理履歴の管理