代表取締役社長 佐々木 彰さん
仲間と関わり互いに向上心を
~社員の向上心が会社の強さになる~
◆どんなものを作っていますか
東京に東亜DKKという東証一部上場の分析機器メーカーがありますが、当社は、東亜DKKの製品生産を担当する子会社にあたります。本社では、計測機器の他にも医療機器を手がけておりますが、当社では水や大気を計測する計測機器を製造しております。平成2年に新庄の中核工業団地に進出しましたので、今年で25周年になりますね。
◆新庄に進出したきっかけは
生産子会社を設けるにあたって、全国各地を検討したのですが、その時に、最上地方には働く希望者が多くおりました。人材が集まりやすいなど、製造拠点を展開するにあたって進出に適する条件が多かったためと聞いています。
私自身は庄内の出身で、高校卒業まで酒田に住んでおりました。東京の本社に長く在籍していましたが、7年前に山形東亜DKKに出向して参りました。
◆この業種を目指した経緯は
私は、就職を考えた若い頃に、計測機器を作っている会社というのはカッコいいなという印象を持ちまして、入社しました(笑)。本社の前身は電気化学計器という東京武蔵野市で研究所から起こした会社で、現在の社名にあるDKKはその頭文字にあたります。その後、さらに東亜電波工業という会社と合併して、電気と化学に電波を加え、幅広く分析を行う、総合的な計測機器メーカーとして発足しました。
私が大学を卒業し、就職した頃は、まだ世の中に石油ショックの余波が残っており、就職が大変厳しい時代でした。しかし、そのような時期でも、漠然とではあったんですが、色々なものを精密に測る機械を作ることに憧れがありました。
◆現代の若者の感想は
直接に社員と触れる機会は意図的に作ろうと、時々社内を回り、若い社員とも話しているのですが、昔ほどモノづくりにこだわりを持つ若者は少なくなっていると思います。
また、一番に感じることは、今の若い方には「偉くなりたい」とか「出世したい」という、私たち世代であれば誰もが普通に抱いていた願望が無いようにも思います。上を目指して出世するよりも普通の暮らしが出来たらそれでいいと、欲がなく、何となくこじんまりとした印象があります。もちろん、それは全員ではありません。中には熱意あふれる方もいますので、総じて見た感想としては、あっさりしている印象を受けます。
◆責任が増すことを否定的に捉え、昇進を嫌がる若者も多いと聞きます
はい。ただそれは個人というよりも、時代の雰囲気とか風潮なのかもしれません。社会全般もそうですが、会社においても自然な人間関係を作ることが難しい世の中なのかもしれないですね。
◆貴社を目指す方に何を求めますか
やはりコミュニケーション力ですね。自分の世界に閉じこもらずに、色々な人に聞いたり、相談したり、気楽に周囲と関わることができるような方が欲しいと思います。
当社では社員にいろいろな資格を取得していただきたいと推奨していますが、それに対しても若い皆さんはよく応えて、勉強してくれたり、資格取得に挑戦してくれたりしています。とても誇らしいことです。社員同士のスムーズな関係を促す努力もしておりますし、私もよく社内を回りいろいろな部署で若い社員ともコミュニケーションを取っています。品質管理検定取得に向けて、先日も社内でセミナーを設けましたし、その後、みんなで試験を受けに行きました。現在では全社員の半数以上にあたる方が級を取得していますし、そういった「向上心」は社風として保てていると思っています。
◆企業から見た地域の課題は
残念ながら最上地域も人口減少している時代ですから、企業としても危機感は強いですね。特に若い方がどんどん減っていきこの地で企業が成り立たなくなってしまっては、地域にとっても致命的です。官民挙げての人口減少対策はとても重要な課題だと思います。
平成27年度入社 髙橋 剛さん
◆どんな仕事を担当されていますか
今は、空気を分析する機械、 特に大気中に漂う微粒子であるPM2.5を計測分析する装置の調整と検査を担当しています。一部、製品の組み立てにも参加しますが、基本的には出来上がった製品の試験と検査をして出荷に引き渡すという役割です。
私は中途採用でこの会社に入りまして、まだ1年未満なのですが、少しずつ任せていただける業務範囲が増えてきました。前職も製造業でしたので、そういった経験も生かしていち早く会社の戦力となれるように頑張っています。
◆入社までの経緯を教えてください
私は、地元の高校を卒業してから大学で工学を学びました。大学院に進んでからも研究一筋でしたね。
大学という環境は、頑張れば頑張っただけ成果が出てくるのですが、その反面、サボろうと思えばいくらでもサボれるんです。学生の自主性に任せる範囲が大きく、自由度が高いんですね。ですが、社会に出て給料をいただきながら仕事をするという事は、自分のペースで進められることばかりではありませんし、色々と気を遣います。そういった社会の厳しさというものは実際に就職するまで、私自身、実感していなかったと思います。実際に、学生というぬるい環境から社会に出るときには、不安もありましたし、戸惑いも感じました。
◆どのように克服しましたか
初めから完璧にできる人はいないですから、さまざまな方から学ぶこと、とりあえず自分の周囲から吸収していくことで乗り越えました。
◆実際に若い方が積極的に行動するには、後押しが欲しいですね
はい確かに。当社の場合は、社員の教育や研修を熱心にしてくださいます。例えば全ての社員に業務上役立つ検定を推奨してくれたり、研修を受けさせていただくことも多いですね。
その結果、たくさんの社員が資格を得ています。
このように、仕事をするだけでなく、何か資格を得たい、またはスキルアップしていきたいと考えているのであれば、就職先として社員教育に熱心な会社を探してみることをお勧めしたいです。自分の成長と一緒に成長していく会社を選ぶのは、将来を考える上で大切なポイントだと思いますよ。
◆今後の目標を教えてください
今は大気分析系を担当しているのですが、こういった分野の知識はまだ足りませんので、さらに勉強して経験も積みながら、この分野での資格取得を目標にしています。会社の中で役立つ存在となることで、世の中の環境改善や公害防止といった分野で力を発揮できる人材になりたいなと思っています。
◆これからの最上地域への期待は
友人には県外で就職という人が多いですね。都会で就職してから地元に戻る人はまだ少ないと思います。
私は、新庄まつりに山車作りで関わっておりまして、そういう地元の祭りを大事にしたいという気持ちもUターンした理由のひとつになっています。そんなふうに、今後の最上地域が、大切にしたい風土や戻ってきたくなる地元、住みたくなる地域であって欲しいと思います。
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