71b.jpg代表取締役 菅 聡さん

地方の強みを大都市や海外で活用
~地元の若者が持つスキルをメディア発信力として活かす~

●どのような会社でしょうか

 インターネット配信やテレビ放送用の映像を制作したり、ブライダル写真の撮影や印刷物のデザインを行っている会社です。

●最上でお仕事する感想は

 目立ったものが何もないとか、地方都市だからというネガティブな印象は全くないですね。逆にそんなところが「売り」になるとても良い土地柄だと思っています。
 最上地域には様々な県や市町村の支援があります。自然環境や食材だけではなく様々なものも支援対象となりますので、東京などの中央に比べて、それらの支援をうまく活用することで低コストで事業を行うことができます。
 また、都会から戻ってきた人などいろいろな能力やスキルを持った人たちが地方にはたくさんいます。逆にそれを武器にして、どんどん都会に切り込んでいくのが良いと思いますよ。思い切って打って出るべきです。

●大都市に挑むのは敷居が高いこともあります

 時には気負いも感じますが、あれこれ考えるより実行あるのみです。それに、大都市の人間もやはり人ですし、コミュニケーションは人と人というのに変わりはないですから。それに、田舎っぽさはむしろ貴重なカラーだと思います。例えば、当社では、東京の大手と組んで、料理のレシピを解説する動を多数制作し次々とアップしていますが、その中には、もっと山形力ラーを出そうという話もあります。必ずしも田舎はマイナスになるわけではなく、積極的に活かすのが良いと考えています。最上地域も、田舎であるからというマイナスな気持ちではなく、それを強みとして成長の余地があると考えるのが良いと思います。

●起業の経緯を教えてください

 学校を卒業した後、ソフトウェアを扱う会社に就職して、主に、新幹線の運行のコンピュータプログラムを作る仕事をしていました。その頃は、自由気ままに暮らしていましたし楽しかったので、あえて生まれ故郷である最上に帰ろうとは思いませんでした。でもそれと同時に、いつまで都会でこの暮らしを続けるのかと、漠然と次の展開を考えていました。
 その後しばらく在宅で仕事をしていましたが、新庄で制作会社を立ち上げて今に至ります。もう今となっては最上から離れたいとは思いませんし、都会で暮らしたいとも思わないですね。

●今後の展開は

 ベトナムでブライダル写真の専門店を5店舗ほど展開しています。ベトナムは、結婚年齢の若い人が多く、人生の記念としてプライダルに対する熱意も強いお国柄です。当社は、これまで国内で多く手掛けてきたブライダル写真の撮影技術を活かせると考えて、ベトナムから海外に展開しました。ブライダル写真では、需要の面からも供給の面からもベトナムには成長の余地がまだまだありますし、やれることがたくさんあるという可能性しか感じませんね。

●どのような方を採用しますか

 「頑張ります」と簡単に言う普通人は採用しません。何か一つで良いから、やりたいことを具体的に提案できる人が欲しいです。また、当社では、採用の時には経験や学歴を重視することはありません。インターネットやメディアの業界では、アイデアの新鮮さや斬新さが問われますから、経験や学歴がある人は、むしろその常識が発想の邪魔となることがあります。若い人には、自由な発想を積極的に発揮し、活躍してほしいですね。


71c.jpg2015年度入社 庄司 育さん

●どんな仕事を担当していますか

 動画の編集が担当で、主にブライダル関係の映像を作っています。編集とは撮影した映像データを切ったりつないだりして、一つの作品に仕上げることです。例えば、結婚式の場合には3~4時間ある撮影映像を受け取り、それを2時間ほどにまとめてDVDを制作します。編集作業では、結婚された方やご家族がきっと後で見たいだろうという場面を中心に、なるべく式当日の雰囲気が伝わるように考えながら映像を組み立てます。
 完成したDVDをお渡しする時に、嬉しそうな表情を見ると、私も嬉しいですし、やりがいを感じます。その他には、お葬式で飾られる、亡くなった方の遺影写真を作る仕事も時々あります。

●この会社に入ったきっかけは

 山形の大学で映像の勉強をしました。入学した当初は、アニメーションを学びたいと思っていましたが、次第にドキュメンタリーや実写の映画に興味が移りました。実習制作で撮り始めたのが私の両親だったのですが、撮っているうちに、人間の内面がどんどん出てくる感じがして面白かったです。ただ、学校では自分が好きな映像を作るだけですが、仕事となると、お客様に満足していただける映像を作らなければいけません。同じ映像を扱っていても学生と社会人では重みが違います。
 大学卒業後、|旦実家に戻り、実家から通える距離で、学んだ映像のスキルを活かせる仕事を探していました。ハローワークでこの会社を紹介されたのが、入社までの経緯です。

●仕事内容も距離もご希望通りの就職ができましたね

 はい。とても幸運だったと思います。実は実家に戻った頃には、新庄に映像会社があるとは知りませんした。田舎にはこういう業種は無いと思い込んでいたんですね。私はハローワークで紹介されて入社することができましたが、これから就職を希望する方は、自分が希望する職種や条件が最上地域にはないかどうか、地元の会社を良く調べてみるのが良いと思います。

●これからの最上地域へのご希望は

 私は自分の生まれた町が好きですし、仕事をしていくことで山形に貢献できればいいなと思っています。これから、若い人たちに「都会に出たい」ではなくて「最上にいたい」と思ってもらえるような場所になって欲しいと思います。

【先輩からひと言】
インターネットやソフトウェアの仕事は、通信があれば場所に関係なくどこでもできる職種。
なかには都会の会社に所属したまま、最上地域で仕事を続けている人もいる。
Uターンに向いた仕事かも。

【おしごとPoint!】
映像の仕事の多くの時間、ひとりでPCに向き合うことが多いので、時間の管理は自分自身でしっかり行っています。