A・しばらく家で様子を見てみましょう。
ただし、症状が悪化した場合や変わらず続く場合には、医療機関を受診しましょう。
◯咳が出たときの対処
こうすると良くなることも
・痰を出させるために、水分を取らせ、タッピング(背中や胸を軽くたたいてあげること)を行う
・ぬるま湯で湿らせたタオルや蒸しタオルを、手で持てる程度まで冷まし口や鼻にそっとあてる(長くても15秒程度)
・水を少し飲ませ、窓を開けて換気をする
※柑橘系のジュースや牛乳は吐き気を誘発するので避けましょう。
◯喘鳴が聞こえたらどうするの?
・眠れるようなら様子を見て
喘鳴が聞こえても、すやすや眠れるときは、様子を見ても大丈夫でしょう。
水分の補給を十分にして、部屋の温度を高くします。
加湿器がなくても、室内に洗濯物を干すとか、濡れたタオルをぶらさげるだけでも湿度は上がります。
ゼーゼーからヒューヒューという音に変わるようなら、体を起こして寄りかかる姿勢にすると、お子さんは楽になります。
痰などの分泌物を出やすくするために水分を少しずつ頻繁に飲ませ、背中をさすったり軽くトントンと叩いたりしてあげると、効果があります。
ゼーゼーや咳でよく眠れないときは、診察を受けましょう。
◯喘鳴が強いときは
喘鳴があるときは、呼吸が少し苦しいので換気を心がけましょう。
普段どおりの会話ができるか、食欲があるかなども注意してください。
乳児で、呼吸が苦しそうで発熱をともなっていたら診察を受けてください。
発熱(38度以上)
吐く(嘔吐)
嘔吐(おうと)は、小児期によくみられる症状のひとつで、ほとんどの場合は慌てる必要はありません。
嘔吐の他に発熱や下痢などの症状がないか、どんな時に吐いたか、吐く回数、吐いたものがどのようなものかなどを観察しましょう。
Q・下記の症状にあてはまるものはありますか?
□ 続けて何度も繰返し吐く
□ 吐いたものに血液や胆汁(緑がかった液体)が混じる
□ 発熱(38度以上)がある
□ けいれんを起こすか、意識がぼんやりしている
□ 頭を激しく痛がる、吐く前に強く頭をうった
□ おしっこが半日以上出ていない
□ 大便に血液が混じっている
□ お腹がパンパンに張っている
おなかをくだす(下痢)
下痢(げり)は、いろいろな原因で腸の動きが活発になるとともに、腸の水分吸収が悪くなったり、腸液の分泌が増えることにより、水分の多い便が頻繁に排泄されることです。
下痢の時には、便の色やにおい、便に血液や粘液が混じっていないか、いつから始まり、何回くらい便が出たのか、発熱や嘔吐などの症状がないかなどを観察しましょう。
また、おむつをしている乳幼児はおむつかぶれに注意しましょう。
Q・下記の症状にあてはまるものはありますか?
□ 元気がなく、ぐったりしている
□ おしっこが半日以上出ていない(尿の色が濃い)
□ 嘔吐、発熱(38度以上)強い腹痛がある
□ 水分を受け付けず、唇や口の中が乾燥している
□ 大便に血液が混じっている
□ 定期的に激しく泣く
おなかが痛い(腹痛)
Q・下記の症状にあてはまるものはありますか?
□ 強いおなかの痛みが急にきた、またはずっと続いている
□ がまんできない痛みがある
□ おなかをさわると痛がる
□ おなかが硬く張っている
□ 吐いたものに血やコーヒーかすのようなものが混じっている
□ 大便に血液が混じっている
□ おまた(脚の付け根、陰のう)が膨らみ、痛がる
□ 発熱(38度以上)がある
□ 痛みがだんだんひどくなってきている
せき、あえぐような呼吸(咳・喘鳴)
10分に1回くらいのゴホッという咳は、様子をみていていいでしょう。
発熱しているときや何度も咳き込んで吐くときは、下記の項目に当てはまるか確認して診察を受けましょう。
Q・下記の症状にあてはまるものはありますか?
□ 唇や口の周りの色が紫色になる
□ 息苦しそうで、呼吸がはやい
□痰(たん)が切れずに咳き込むことを繰返す
□ 声がかすれ、犬の遠吠えのような咳をする
□ 呼吸にあわせ、ゼーゼー、ヒューヒューという音がする
□ 突然むせて、激しい咳き込みが続く
□ 発疹があり、かゆがっている
ほっしん(発疹・湿疹)
発疹(ほっしん)・湿疹(しっしん)とは、何らかの原因でじんましんのように急に出た皮膚の変化を発疹といい、アトピー性皮膚炎など赤ちゃんの顔に持続的に出ている皮膚の変化を湿疹といいます。
□ 今までひどいアレルギー症状が出たことがある
□ 急に口の中や舌が腫れてきた
□ 呼吸が苦しい、声がかすれる、咳が出る
けいれん(ひきつけ)
けいれん(ひきつけ)とは、急に身体の一部または全身をピクピク・ガクガクさせたり、意識がなくなって眼が固定し手足をグーッと突っ張ったりすることを言います。
□ けいれんが止まっても意識が戻らない
□ 唇の色が紫色で顔色が悪い
豆を飲み込んだ
飲み込んだものが気管や気管支に入ってしまうことを誤嚥(ごえん)と言います。
子どもの誤嚥で最も多いのがピーナツなどの豆類です。これらはその大きさや形から、子どもの気管に入りやすく、誤嚥の原因となります。
◯どんな症状が出るの?
症状は、咳き込んだり、むせたり、ゼーゼーしたり、呼吸が苦しくなります。
ノドに完全に詰まると、窒息死してしまうこともありますので、注意が必要です。
◯治療方法は?
ピーナツなどの豆類は全身麻酔をして気管支鏡(気管・気管支の内視鏡)で取り出す必要があります。
◯豆の誤嚥は予防が最も大事!
誤嚥は予防が最も大切です。3〜4歳までの乳幼児には、日ごろからピーナツなどの豆類をそのままの形では絶対に与えないでください。
手の届くところには置かないよう、日ごろから心がけ、かわいいお子さん、お孫さんを危険から守りましょう。
便の色の異常
先天性胆道閉鎖症は、生まれつき肝臓と腸をつなぐ胆管が詰まっていて、胆汁が腸に流れなくなる病気です。
生後2ヶ月以内に発見して、手術するのがいいと言われています。
◯うんちの色をチェックしよう
先天性胆道閉鎖症は、皮膚や白目が黄色になる「黄疸」が続くかひどくなること、赤ちゃんのうんちが「うすい黄色」「白っぽい色」「クリーム色」「灰白色」になるといった症状がでます。
1ヶ月健診の頃に赤ちゃんのうんちの色をチェックしましょう。
生後1〜2ヶ月でうんちの色が変わることもありますので、2ヶ月くらいは注意が必要です。
心配な場合は、小児科を受診しましょう。