72b.jpg代表取締役 福原和輝さん

地元を拠点として海外にはばたく
~日本流の鮮魚管理を武器に海外展開をめざす~

●どのような会社でしょうか

 「食の力で世界を変えていく」が当社の経営理念です。
 もともとは、1945年から私の祖父が新庄で始めた鮮魚店が母体です。当時は戦争が終わって間もない頃でしたので物資も少なく、魚を食べたいというお客様がたくさんいらっしゃいました。そこで鮮魚店を始め、現在まで続いてきました。
 私は、その家に生まれ、幼いころから家業の様子を見てきましたし、鮮魚店の手伝いもしました。小学校の授業が終わってから、友だちが遊びに行くなか、自分だけは家業の手伝いで配達にいかなければならないこともあり、それは子ども心には辛い思い出でした(笑)。でも、商売の厳しさや、お客様の喜ぶ顔を小さな頃から知ることができたのは良かったと思っています。
 中学校を卒業してから新庄を離れ、高校・大学は他の地域で学び、卒業後は東京の外食産業に就職し仕事をしていましたが、地元に戻って鮮魚店を継ぎ、2014年に「食の力コ―ポレーション」を設立しました。

●海外に展開されるとのことですね

 はい。会社設立当初から海外に展開したいと考えていました。2018年に、タイのバンコクで現地法人を設立することになっています。そこではタイ国内で水揚げした鮮魚を、タイ国内で流通させるという構想です。
 タイでは、魚を煮たり揚げたりすることが多いのですが、最近の和食ブームで、タイ国内には1,000店舗以上の和食の店があります。そこを対象にタイ国内で水揚げした魚を、日本流の高度な鮮度管理を施した新鮮な状態で食べていただきたいという考えです。

●海外に飛び出すことへの不安は

 ありませんでした。もちろん一人で走り出したわけではなく、事前に銀行などのありとあらゆるところに相談しました。中小企業基盤整備機構、日本貿易振興機構、漁師、海洋大学の先生、タイ大使館の書記官など、会った人には常に自分の考えや思いを伝えてきました。

●すばらしい行動力ですね

 仕事をしていくということは、いつでも次の一手を考えていなくてはいけません。また、少しでも動き出してこれはいけるという感触を得たならば、後は思い切って進むしかないと思います。

●企業で働くこととは

 私が初めて入った外食産業の会社では各自、与えられた役割を100%全うすることを教えられました。
また、一生懸命頑張ったうえでの失敗は許されたのですが、何も努力しないでした失敗には責任を厳しく問われました。やはり、社会に出て仕事をするということは、厳しさに直面することだと思います。もちろん厳しさだけではなく、夢や希望を持ってもらいたいです。
 会社は組織ですので、仕事をするうえで、会社に勤めている者に共通の夢である「企業理念」を共有し、それを実現することを社員の夢としてともに仕事をしてもらうことが大事だと思います。

●若者に求めることは何ですか

 挨拶と身だしなみです。鮮魚や食品を扱う仕事ですのでファッションとしての個人の自己表現とは別に、ふさわしい身だしなみを求めますね。例えば、髪は短髪や束ねていたり、爪は短く清潔にしていることです。
 内面的には、過剰な自信は持たなくて良いのですが、将来こうなりたいというビジョンや、自分自身をきちんと理解して胸を張っている、殻に閉じこもらず、自分を表現できることが望ましいですね。

●内面はどうやって見るのでしょう

 就職活動で画一的なスーツ姿に隠されてしまうとその人が持つ個性や内面はうかがい知ることができないと思います。むしろ、そんな時こそ、普段の私服で来ていただければ、その人の内面がよく見えるのかもしれません。


72c.jpg2017年度入社 柿崎大樹さん

●どんな仕事を担当していますか

 2017年に入社したばかりなのですが、仕事を始めてすぐに様々な研修を受けました。仕出し部門はこのような仕事、鮮魚部門はこの仕事というように担当の方に教えてもらいました。魚のおろし方をはじめ、従業員にパートタイマーの方も多いので、社員としてどのように指示を出し、行動していったらいいかということも含めて、教えていただきました。

●この仕事に就いたきっかけは

 小さい頃から魚が大好きでこの仕事を選びました。私の父親は釣りが好きで、私は小さい頃から毎週のようについていき、釣った魚は家に持ち帰って、調理して食べていました。その全部が楽しみで、私自身も釣りが大好きになりましたそこから魚や料理に興味を持ち始めたのだと思います。

●社会人になりたてですがご感想は

 学生から社会人となった時に、ギャップを感じるかなと思ったのですが、特になかったですね。ただ、毎日のようにお客様と接するわけですから、注文を承ってご希望に沿った品物をお渡しするまで、責任を持っていなければいけないということは大変だと思います。
 また、鮮魚市場などで関わっている業者は年上の方が多く、仕事の要件以外にも、魚に関する知識や商売のことなど、とてもためになる話を聞かせていただきます。それはとても楽しいですし、今では、仕事をしていく中でも学ぶ機会はたくさんあると知りました。

●人とうまく話すコツは何でしょう

 私は、初対面の人でも話すのが苦手ということはありません。相手がどんな人でもまずは興味を持つことです。さらに、どんな話題ならコミュニケーションがうまく取れるのか、話しながら試すのが良いと思います。
いずれにしても笑顔がとても大事ですね(笑)。

●これからしたいことは

 会社に入ったばかりで、今はまだあまり将来のことを深く考えた事はありません。まずは目の前にあることをしっかりと極めて行動ができたらいいなと思っています。
 将来、自分に家族ができた時には、周りの方々に良くしていただけるようにと言ったら変ですが(笑)家族の面倒をみていただきたいなと思っています。そのためにも、人とのつながりを大切にしたいですね。
 

【先輩からひと言】
鮮魚を扱う仕事は、新鮮さや安全性が問われるとても気をつかう仕事。
お客様の好みにあわせた魚を仕入れたり、メニューも工夫しながら、いつでも清潔さに気を付けています。

【おしごとPoint!】
「好き」を仕事にするのはとても楽しいけど、甘えが出てしまわないように、好きなことをとことん極めよう!