67b.jpg代表取締役社長 山科慎治さん

東北の中央という位置を事業に活かす
~付加価値を高めた新たな製品を提案したい~

●どんなものを造っていますか

 コンクリート二次製品です。二次製品という呼び名は一般的ではないと思いますが、原材料(一次製品)の生コンを使って加工したものを指します。当社は、自社工場で作った生コンクリートを型に流し込むなどの方法で成形した製品を製造販売している会社です。
 当社が製造している製品で街中で良く目にするものは、道路の脇に並んで設置される側溝や縁石、コンクリートの蓋です。その他に、河川や山の中などの目に見えないところや地中に埋めて使うものもあります。新たな形状などで付加価値を高めたものの提案を、今後も積極的に進めていきたいですね。

●最上で仕事をするご感想は

 山形県は村山・最上・置賜・庄内の4つの地域に食や方言などの独自の文化があってそれぞれに魅力があります。最上地域に住んでみて思うのは、冬の雪を克服すれば、住みやすい地域ということです。地理的には、仙台へ車で2時間程度ですし、秋田や盛岡、福島も、高速道路を使えば2時間台で行くことができます。東北地方をコンパスで丸く囲ってみると、ちょうど最上地域を中心とした同心円状になり、どの方向にも行きやすい位置にあります。それだけに、交通網が整えば事業を行う上での大きな可能性を秘めたエリアだと考えています。

●企業として将来のビジョンは

 最上地域の中だけで稼げるという時代ではなくなってきたと感じています。現在、様々な商材を開発して東北圏内に納めております。今後もその方針を一層進めていきたいと考えています。
 雇用については、当社は以前から全社員を正社員として採用しています。モノを造る企業は、作り手を「職人」と考えており、事業の継続には彼らの様々な生産技術の継承が必要です。若い社員に技術を受け継いでもらうには一定の年月がかかります。安心して働き続けられる正社員でなければ、継承は難しいと考えております。

●社員にはどんな人が欲しいですか

 自分の考えを持ち、それをしっかりと周囲に伝えられる人です。周囲と同じである必要はなく、私と考えが違うとしても全然構いません。考えが違うということをきちんと言える人であって欲しいですね。
 日本人には、目に見えないものをとても大切にする文化があります。信頼や信用もその一つです。時間や約束を守ることも大事なことですし、両親などお世話になった人への感謝もそうだと思います。普段からこのようなことを当たり前のことと心にとめて行動している人は、会って話してみると良くわかりますし、ぜひ、そんな人に当社へ来てほしいと思っています。

●若者はとんがっている人も多いのでは

 20代はとんがっていて良いと思いますよ(笑)。例えるならば、若い頃は誰でも、泥のついたジャガイモのようなもので、友人や学校など様々な人間関係のザルの中で、ぶつかりあいながら泥を落としあうのが若者です。あまりに強くぶつかれば互いに傷付き、でも弱過ぎれば泥は落ちない、そのような、はざまの中で磨かれながら成長していくのだろうと思っています。さすがに40代を超えてもそのままではダメでしょうけれど(笑)、20代の若い頃はそれで良いと思います。
 仕事でも私生活でも、自分なりの夢があって、こうしたいという目標があるならば、それに対して次は何をしなくてはいけないか、次の行動を考えて実行していくことが大事です。若いうちに、目標への道を自分で見つけて行動を起こせる力を身に着けるのが大切だと思います。


67c.jpg2013年度入社 鈴木友暁さん

●どんな仕事を担当していますか

 製造員として、コンクリート製品の製造と補修を担当しています。コンクリート二次製品は、主に生コンクリートを型に流し込み、固まった後に型を取り外すという方法で造ります。できあがった製品のなかには、時には気泡が入ってしまったり、型を外す時に角が欠けてしまうということがあります。補修はそのような部分を補修用モルタルを使用し、きちんと整形するのが仕事です。このような補修作業の中には製品としての性能や強度には全く影響のないものもあります。しかし、外観を損ねますし、何よりも製造員として完全な製品を出したいという気持ちがあります。製造会社としてもお客様に失礼のないように、出荷前の点検と補修を丁寧に行っています。

●この会社に入ったきっかけは

 私は、以前ゲームソフト販売会社に勤めていまして、販売店長をしていました。結婚して子どもが生まれたことで、勤務時間を家庭に合わせたいとの希望から、職種は全く異なりますすが、この会社へ転職を希望し5年になります。

●製造業に転職して戸惑いは

 ありましたね。入社した時は、仕事の内容以前に、使う工具の名称さえも分からず大変でした。先輩に教わりながらようやく慣れてきたのは入社して1年経った頃からです。
 私はサイズの大きい製品のラインを担当しています。製造の流れを考えながら行わないと、すぐにスペースが埋まってしまいます。仕事が無駄なく円滑に進むかは、事前の段取りに左右されます。仕事に慣れると、全体の流れが見え、自分なりの段取りをつける事ができます。
 私は、朝起きてから出社するまでの間に、1日の業務の流れを頭の中でシミュレーションしてきます。時にはシミュレーションの通りに行かなかったこともありますが、仕事に慣れてくるに従って想定通りに進みますし、業務がスムーズに進む分だけ、仕事の失敗や作業の危険も少なくなります。違う職種でも事前のシミュレーションで段取りをしておくことは、おすすめですよ。

●仕事を長く勤められるコツは

 どんな職種も同じですが、出社から退社まで常に100%の力の入れ具合ではすぐに息切れしてしまい、長く勤め続けるのは難しいと思います。仕事に就いたら、まず早く全体の流れを把握して、自分の仕事の段取りをつけられるようになること。そうすれば、1日の仕事でペースの緩急ができるようになります。それが、仕事を長く続けられるコツですね。



【先輩からひと言】
また、「ありがとう」と「ごめんなさい」は人間関係を良くする魔法の言葉ですから大事にしましょう。
 

【おしごとPoint!】
製造業だからこそ、仲間とのコミュニケーションは大切。相手と同調しながら、カッコつけずに話せば、きっと良い関係が築けます。