代表取締役社長 柿崎力治朗さん
社会インフラ整備で地域に貢献したい
~仕事を通して次世代を育成し地域の存続を図る~
●どのような会社でしょうか
当社は、建設業として道路の建設一や護岸工事、砂防ダム建設など、公共事業を中心として事業を行っています。7~8割が国、他は県や市などの自治体からの事業です。
●建設業をどう捉えていますか
私にとって天職と思っています。この仕事は建設にとどまらず災害への対応も求められます。地震や水害など自然災害があれば真っ先に駆けつけなければいけません。それは、私企業の損得を超えて私たちの地域を守るという、建設に携わる者のプライドや使命感から来るものです。
様々な構築物や社会インフラを造り、それらの維持や補修を行う建設業は、決して華やかな仕事ではありません。世の中の多くの業種を一本の木に例えるならば、幹や枝を支える根のような存在です。木を眺める人は、誰しもが美しく咲く花を見て、その花を咲かせている枝や幹を見ることは少ないものです。まして、それらを育んでいる根っこを知らずに踏みながら歩き、花を見ているのです。
私たちは、社会を下から支え、その上に経済や文化など人々が暮らしを形作るために、普段気付かないところに力を尽くすことに誇りを持っています。
●最上地域はどのように見えますか
残念ながら様々な面で遅れていると思います。それに、まとまって何かを始めようという気持ちが薄いようにも思いますね。最上の各地域は盆地が多く、長い間外部から閉ざされていた土地柄のため外の世界への関心が低く、変化を好まないという気持ちがあったのではないでしょうか。現代においても開ききってないような感じを受けます。
●開くには何をしたらいいでしょう
世代交代が必要だと思います。外の世界を見て学んできた若い人がリーダーとなって、この地域を引っ張っていくしかありません。、ただ、外の世界を見た若者がなかなか戻ってこないし、戻ってきたとしても異なる価値観ゆえに地元に溶け込めない。この二つの壁を超えなければなりません。
まずは、新庄最上を外の世界にもつと積極的に発信することです。それが、今この地域に住んでいる人たちの外への関心を高め、次第に開かれた地域に変わっていくのではないかと思います。
さらに、新庄最上地域がどうなっていくのか、どうしていきたいのか将来を見据えた具体的なビジョン、いわゆる「グランドデザイン」が欲しいですね。また、各地域が都会からの移住促進に一生懸命ですが、移住とは、その地域の将来に自分の生活を賭けることですから、しっかりとした発展の構図を持たない地域を若者たちが移住先として選ぶとは思えません。
●若い人へのメッセージを
最上の若者は素直でまじめです。それは喜ばしいことですが、それだけでは物足りないと思います。
常にレベルを上げるために自分を高める努力を怠らないでほしいですね。
また、人は必ずしも平等だとは言えません。生まれた場所や境遇など一人一人がそれぞれ違いますから。
ただ「時間」は若者の皆さんが等しく持っているものです。その時間という貴重な資産を有効に使い、自らの成長のために活用してほしい。自分の自標を達するために必要な知識やスキルを身に着けていく努力に、時間を惜しまないことです。
もう一つ注文をつけるとすれば、もっと「欲」を持っていただきたい。自分のやりたいことや夢に向かって、素直にそれを得る努力をする。その努力に向かうために、自分を奮い立たせる健全な「欲」を、たくさん持ってほしいと思っています。
2002年度入社 工事課主任 今田大督さん
●この会社に入った経緯は
中学生の頃、私の家の近所に仲が良かった先輩がおり建設業に就いていました。ある日、家の近くで道路工事の現場があり、その先輩が担当していたのです。通りがかった私に声をかけてくれて、現場事務所に遊びに行くという機会がありました。その時に先輩が活き活きと働いている様子を見ることができてそれ以来建設業は楽しそうだという印象を持つようになりました。進学の時にもその思いがありましたので、土木科がある工業高校に入り、卒業後はそのまま建設会社を志望して入社しました。
●実際に仕事をしてみた感想は
決して楽な仕事ではありません。場合によっては残業もあります。現場監督として大変なことも多いのですが、やりがいがある職種だと思います。
●仕事で気をつかうところは
会社を背負っているという気持ちで現場を預かっていますし、責任のある立場なので緊張感があります。
とにかく現場が止まらないように、入念に事前の段取りをすることを心掛けていますね。例えば資材が届かなかったり機械が動かない事態が起こり、現場が止まることになれば、その分だけ作業が止まり、工程が遅れることになります。
また、実際の地形が設計図面の寸法とわずかに違っていて支障がでるという場合もあります。そのような遅れの原因を事前に見つけて、話し合いをしたり作業の進み方を調整しておきます。このような段取りをしてはじめてスムーズに現場の作業が進みますので重要な仕事ですし、監督として、考え方に応用力が求められます。
●応用力を高めるのはどうすれば
仕事への興味を持つことです。現場監督は知識と経験が重要ですが、経験は積み重ねていくものです。その点、知識は調べればいろいろな情報として得ることができますし、いくらでも増やすことができますので、気になった事はすぐ調べて記録しておく習慣を身につけておくと良いと思いますよ。
また、知識として知っていた事が、現場で実際に経験できた時は、頭のなかで点と点が結ばれ線になったような、知識が広がり、脈に落ちたという感触を味わうことがあります。この腑に落ちたという実感とその経験や知識は、必ず次の仕事にも役立ちますし、それを重ねるごとにますます仕事に興味が湧いてきます。とても楽しい仕事ですよ。
【先輩からひと言】
「例えば道路工事は、作った後に通るたびに自分が手掛けたという充実感が感じられますよ。」
【おしごとPoint!】
建設業は、国・都道府県・市町村の自治体が仕事を依頼する公共工事が占める割合が比較的多い業種。
費用には住民の税金があてられ、みんなで使うものや暮らしを守るものを造り社会を支えています。