31b.jpg代表取締役 庄司正人さん

思い切って踏み出すこと
~誇れる技術を磨き、絶えず攻める姿勢を~

◆どのようなものを作っていますか

 建築物の外内装用の金属パネルです。納入先には羽田空港やJR、東京メトロなどの公共の物件も多く、例えば東京スカイツリーの展望台にも入っているんですよ。
 当社は、板金の加工から塗装までを一貫して行っておりまして、塗装に関しては日本でトップクラスの技術を持っているんですよ。国内でもこの業界でメーカーとして残っているのは当社くらいしかありません。それだけコスト競争が厳しい業種なんですね。そのコスト競争で勝ち抜いていくために、いつも設備投資を行っています。確かに投資はリスクになりますが、誇れる技術を持ちそれを磨いていくことが大切です。黙っていては潰れてしまいますから、攻めの姿勢を持ち続けてきたことが今に繋がってきたと思っています。何もしないことのリスクの方が大きいですよ。 

◆雇用に関してはいかがですか

 今までは設備を整えて競争力につなげてきましたが、これからその生産力をより発揮していくには、機械を活かす良い人材を得たいですね。
 当社は新規採用よりも中途採用が多いのですが、それは従業員が仲間を連れてきたり、紹介をしてくれているんですね。社員の皆さんが、自分が勤めているところを良い会社だと思っているからだろうと思っています。

◆若い方に何を求めますか

 ものづくりの本質を学んで欲しいです。それに、日々のコスト低減の努力は必ず自分にも返ってくるという意識を持ってもらいたいですね。その二つが組織として社会に通用する姿勢につながると思います。
 64歳の私からかなり年齢の開きのある若者を理解することは難しいところもありますが、そこを乗り越えて、彼らのやる気と能力を引き出すのが私の仕事ですね。 

◆最上地域との今後の関わり方は

 地域の中で、特に自治体に対してもっと発言していきたいと考えています。これから地域を支えるには企業と行政が一緒にやらないとダメなんだと思います。
 そんな状況で現在、自治体に関して不満な点も感じています。それには企業側があまり声をあげなかったということもあると思います。本当にこれから、地域を良くしていこうというのであれば、互いに腹を割って話し合うことが大切だと思いますね。 私たち企業もここで事業を続けたいですが、ここにいるのが当然と考えられてしまうのも違うと思います。企業としてこの地域に魅力を感じなければ、企業そのものが流出してしまいますよ。
 
◆起業の原点は何でしたか

 若い頃には出稼ぎも経験しましたし、結婚して子どもが生まれてからはここで何か仕事をやりたいと思ったのが起業の原点です。当時は特に深い考えもあったわけでありませんでしたし、とにかく生きるために必死でした。そこからいろいろな人との出会いがあり、幸いにもうまくチャンスもありましたので、そこからはどっぷりと企業人の人生を送っています。

◆若い方へのアドバイスをお願いします

 何事も一度決めたら、後は悩まない方がいいですね、決めたことは仕様ないですから。あとは前を向いて、とにかく一所懸命やっていれば何とかなりますよ。
 経営者も同じです。そうやって頑張って、階段をひとつ上がることができれば、そこから見える景色も違ってきますから。まず思い切って踏み出すんです。一つ階段を上がったら、またそこで悩めばいいじゃないですか。

◆休日はどう過ごされますか

 ゴルフや釣りが好きですね。それに温泉も好きで、よく秋田の院内にある温泉に入りに行きますよ。朝早く起きて行っています。いろいろなことに関心をもったり、趣味を持つのはいいことですよ。話題の種類も増えますから。あまりに仕事人間すぎては、人との付き合いでも話題が広がりませんし、楽しくありませんでしょう(笑)。


31c.jpg平成24年度入社 沓沢慎吾さん

◆会社を知ったきっかけは

 私はもとから機械が好きでしたが、高校では普通科を卒業しましましたので、特に工業系の経験があった訳では無いんです。でも、卒業間近の就職先を探していた時に、こちらの会社がレーザーを使った金属加工や、いろいろなことをされていると紹介を受けまして、とても興味を持ったのが入社のきっかけです。
 入社してからすぐは溶接を担当しまして、今は製品の仕上げを行っています。もう4年目になりますね。
 作業内容は板金製品を塗装する前の段階にあたり、工具を使って、材料に付いてしまった微細な傷などを消す作業になります。最終製品の見栄えや品質に直結するので大切な仕事です。

◆どんな時にやりがいを感じますか

 やはり難しい形状のものを仕上げた時でしょうか。作業にはサンダーという工具を使うんですが、ミスしてしまうとあっという間にそこだけ削れてしまいますので、とても気を遣います。
 扱うひとつひとつの物は、施工後に様々な人の目に触れる商品ですから、見た目が美しく仕上がるよう、自分が思った通りに仕上がった時などは達成感を感じますね。

◆入社まで心がけたことは

 学生の頃から挨拶はとても大切だと思っていました。先輩方には、まず挨拶で自分をアピールして、相談やコミュニケーションしやすい関係を普段から作っておくのは大切だと思います。
 仕事の内容に関するアドバイスは一度では覚え切れない時もあります。そんな時には、「またか。」と怒られてもいいので、自分の腑に落ちるまで何度でも聞き直します。
 また、ミスを上司に報告するのは気が引けるものですが、そこで諦めてたりごまかしたりすることは自分のプライドが許しませんので、きちんとできるまで仕事を覚えることに集中しました。社長からも、成功につながる失敗は何度でもやれと言われておりますし、ミスを隠さず相談して、改善につなげることが大事ですね。

◆後輩へのアドバイスは

 社会に出ると、学校と違って細かく休憩時間があるとは限りません。与えられた仕事に対して、自分の力をうまく調節しながら、途中でへばらないようにスタミナを配分する感覚や、体力的、精神的な持久力が大切ですね。
 僕は陸上が好きで、朝起きてから散歩したりジョギングしたりしています。それが体力的な持久力につながっているのかな。そのほかに、小説などの本をよく読むんですが、文章に集中することは、仕事への集中力を高めることにもきっとつながると思いますから、おすすめですよ。 

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対象製品の据え付け

31e.jpg作業手順や注意点の確認