代表取締役社長 谷村英一さん
地元操業を続け若者定着に貢献したい
~自動車重要部品の一貫生産でグローバル化に対応~
◆どんな事業を行っていますか
当社は、自動車のブレーキ部分に使われる部品を、鋳造から機械加工まで一貫生産している会社です。栃木県にある株式会社キリウの100%子会社で、売り上げは親会社に対して行っています。取引先は、国内自動車メーカーならびに空調メーカーなどです。
◆さきほどディスクブレーキのローターを拝見しました
はい。ローターはブレーキ部品でもとても大切な部分です。これは、鉄を約1500℃の高温で溶かして鋳型に流し込みおおまかな形を作った後、様々な機械加工を施し、塗装をして仕上げます。こういった部品業界は、いわゆるすきま産業で、技術的にはハイテクを駆使したものではありません。また、労働集約型の産業というよりも、設備を多用した装置産業にあたります。
当社としましては、設備の稼働率を上げ、高品質・短納期・低コストでモノづくりをすることを目標に掲げて日夜取り組んでおります。国内外の企業グループ全体の中で、当社は、S(安全)Q(品質)D納期)C(コスト)の各パフォーマンスがトップレベルにあるんですよ。
◆最上地域はいかがですか
とても自然が豊かで、お米や野菜、果物、それにお酒もとても美味しくて、こちらに赴任してから片手の指の数ほど体重が増えました(笑)。その他にも、近場に温泉が点在していることも大変魅力ですね。しかしながら、冬の厳しさは聞きしに勝るほど大変です。冬期間の毎朝の除雪や、吹雪による視界の悪さなどは、この地に来て実際に体験してみないとわからないことでした。そうは言っても、さすがに雪国だけあって道路の除雪体制は見事なものだと感じています。
◆若い社員についてのご感想をお聞かせください
こちらの地元から就職した若手は、みんな必死に職場の先輩たちについていこうと頑張っている人たちばかりです。そんな彼らはとても頼もしく心強く思うとともに、私としても応援したいと思っています。
また、経営側の人間としては、舟形町での事業継続を確実にして、ひいては若い人たちが地元で生活基盤を確立し、さらには所帯を持つことができるように、出逢いの場も企画しておりますし、今後もこういった様々な面から支援していきたいと考えています。
◆若者に求めるものは何でしょうか
新入社員の方たちには三つをお願いしています。
まず一つ目は、各人がひとりひとり自分の夢を持つこと。
それぞれが持つ夢を実現するためには、目的を自分の中で明確にして、さらに目的に沿った具体的な行動の目標を持つことです。具体的な目標を持てば、どんな行動が夢につながっていくのかも明らかになります。
そういった形で人生設計をしてほしい。
二つ目は、若い時には失敗を恐れず、何事にも積極的に挑戦してもらいたいと思います。
そのためには、自分の頭で考え、行動することが大切になります。失敗したということは挑戦したということでもありますし、失敗を恐れるあまりに、何も挑戦しないのでは前に進むこともありません。失敗しても先輩や上司がカバーできますので、大切なのはどんな失敗をしてそこから何を得たのか、それをきちんと心に留めることです。
三つ目は両親や先生方など周りの方たちへの感謝を忘れないでいてほしいということです。人間は誰でも自分一人で生まれてきた訳ではありませんよね。大切に産み育ててくれた親や周りの人たちの気持ちがあったから立派に大人になれた訳ですから、それを忘れずに、身の回りの方も自分自身のことも大切にしてほしい。
大切に思う気持ちは、感謝という形に表れてきます。
若い方には、将来会社の核となり活躍してくれることを望んでいます。グローバル化がさらに進む中、足元の実力をつけるために、日々励んでもらいたいと思っています。
平成18年度入社 髙橋良太さん
◆お仕事の内容は
現在は総務部総務課に所属しております。ここは、幅広く社内の総務や経理の業務を行っている部署で、私は特に収益やコストの計算を担当しています。
当社は製造業ですので、経理業務といっても単に書式に則って数字を並べて終わりというわけではなく、現場で挙げた実績を整理した上で分析を行い、次にどういったアクションを取れば良いのかなど会社業務運営への判断材料を作ることが自分の役割だと考えています。
◆入社された経緯は
私は新庄市の出身で、学生時代から生まれ育った地元で長く勤めたいと考えておりました。また、私が就職活動をしていた当時は、就職氷河期と言われた時代で大変に苦労した思い出があります。私自身は、商業高校で事務系の資格取得に力を入れておりましたので、この経験や学んだことが活かせる職に就きたいと思っておりました。こういった条件に合う会社を探したところ、この企業を知りまして入社を志しました。
◆入社してから大変だったことは
入社した当初は知らないことだらけでしたので、最初は何をすればいいのか全く見えませんでした。
見えないながらも、毎日通う中で自分がやるべきことをまずは体で覚えていき、ようやく周囲から何を期待されているのかを理解したような気がしますね。今度は、少しずつそれに応えるように頑張りまして、それが出来るようになったのは、入社から1年ほど経った頃かと思います。
◆最上地域の印象はどうですか
ここ数年は特に活気がなくなったように思います。私の同級生も多くの人が最上地域外に出ていますし、中心商店街など商業的な元気さも衰えたのかなと心配しています。ただ、私はあまり賑やか過ぎず落ち着いて静かに暮らせる場所が好きですので、こういった田舎暮らしは向いてるのかなと思うのですが、もうちょっと若い人を中心に人の賑わいがあってもいいと思いますね。
これから最上地域に暮らし続けていくために大事なことは、若い方が働く場所や雇用の口がもっと増えることが最優先ではないでしょうか。やはり地方ですと仕事の種類や数が限られるというのが、若者が地域から出ていく一番大きな理由であるように思いますね。
◆後輩へのアドバイスを
社会全体はもちろんのこと、一つの会社の中でも様々な考え方を持った人間がおりますので、自分の尺度で判断せず、まずは相手の話をよく聞いて、何を伝えようとしているのか、また自分に何を求めているかを理解することが大切だと思います。
◆これからの目標は何でしょう
私が担当している事務という仕事は、基本的には地味なのですが、将来はただ仕事をするだけの人間にはなりたくないと考えています。数字を算出して終わりということではなく、その仕事自体が企業のなかでどのように役立っているのか、また、企業自身がどのように社会の役に立っているのかを実感したいですし、そんな仕事も含めて常に何かに打ち込んでいたいと思います。
PCによる経理事務作業
各種書類ファイルの整理