15b.jpg新庄工場長 柿崎清彦さん

言葉にして実行することが大切
~全国の会計事務所に信頼される企業に~

◆どんなものを作っていますか

 当社は、主に会計事務所で使われるファイル、帳簿や領収証など事務用品全般の製造と、パソコンで使う税務や財務会計用ソフトウェアを開発し出荷、販売しております。昭和38年に現在当社の社長である方が創業しました。今年で創業から53年目になります。

 本社は東京都千代田区にありまして、新庄中核工業団地にあるこの施設は、当社で唯一の生産拠点という位置付けです。当社で販売している事務用品は、すべてこの新庄工場で製造して全国に出荷しています。システム部門に関しては、東京の本社と新庄工場の2カ所で分担や協力しながら製品の開発に当たっています。

◆新庄に工場を展開した経緯は

 創業者である当社の会長は大蔵村の出身で、事業が拡大し生産工場が必要になった際、自分にゆかりの土地に設けたいという気持ちだったと聞いております。初めは大蔵村に工場を設置しましたが、その後新庄市に移転し、さらに敷地を拡大するため、平成元年に新庄中核工業団地に進出しました。
 私は高校を卒業してすぐにこちらの会社に入社しました。はじめから地元で就職したいと考えていましたし、仕事の種類として製造業を選んだのは、様々な技術を養えるという考えがあったためです。

◆最上地域でお仕事してご感想は

 最近は通信や交通のインフラが整い、特にインターネットが普及したことで、最上に居ながらにして東京本社の状況もわかるようになりました。昔は現物が配達されて初めて分かったことが、今では画像や図面を即座に送ってもらうこともできますし、テレビ会議も行っています。このようにネット化は、モノづくりや営業のツールとして大変有益で、田舎に居ることの不利な条件がかなり緩和されてきたという印象です。でも、端末画面ではわからないお客様の表情や息づかいといった、対面でのコミュニケーションが持つきめ細やかさには及ばないですね。
 交通に関しては道路が整備されて流通は非常によくなりました。雪による悪影響も年に一度あるかないかまで、運送体制が整っていますので、その意味でも地方に生産工場があることのデメリットは、かなり少なくなったと思います。
 人材は、当工場は数名を除いてほぼ全てが最上地域の人間です。ですから、互いに地域や共通の話題で話しやすいですし、見知った方が多い分、働きやすいと思います。また、最上の人間は、東北人気質と言いますか、寡黙で地道に働く粘り強さがあると感じています。真面目に仕事に向かうといった気質は、我々のような製造業に向いているのではないかと思います。

 当社は、仕事に向かう姿勢を表す言葉として「有言実行」を掲げています。
この言葉に表されるように、自分はこれだけのことをやると宣言し実際に実行する、自分の言ったことに責任を持ち行動していくことを目標にしているんです。
 最上の方には、もう少し自己アピールもしてほしいですし、思ったことを口に出すという積極さを持つことも大事ではないかと思います。 

◆どのような若い方を求めますか

 例えて言うとすれば「出る杭になる人材」です。その意味は、自分から発言し行動することでもありますし、多少打たれてもへこたれない強さを持つことでもあります。そういった方が良いですね。そのためにも、当社は、企業風土として若い方が失敗を恐れず挑戦できること、自分はこういった仕事がしたいんだ、こういう目標を掲げているんだと口に出して行動に移していけるような、自由闊達な雰囲気を作っていかなければならないと考えています。
 就職を考えている方には、自分の特色をアピールし、それを活かして会社でやりたいことをぜひ伝えていただきたいですし、企業としては、そういった若者の意欲を伸ばしていくことが社会的な使命の一つになるのではないかと思います。


15c.jpg平成17年度入社 矢作宏平さん

◆どんな仕事を担当されていますか

 当社は、コンピューターによる会計を行う際に使うソフトウェアを開発し販売しておりますが、私はそのソフトウェアやシステムの開発部署に所属して仕事をしております。当社のシステム開発は、東京本社と新庄工場の二手に分かれていまして、東京では主に法人と年末調整についてや給与に対応するシステムを開発し、新庄では財務会計や個人申告を対象として分担しています。
 私はアーキテクトとよばれる役割で、ソフトの枠組みであったり部品にあたるソフトや、パソコンに導入する時に使うインストーラーの開発を担当しています。さらに、パソコンのオペレーティングシステムが新しくなった際に、製品を適応させるための作業であったり、データベースやサーバーを対応させる作業もあります。

◆この会社に入った経緯は

 私は尾花沢市の出身で、高校と大学で情報処理を学び、卒業した後すぐにこちらに就職しました。
学生の頃から、将来の仕事として学校で学んできたことを活かした仕事をしたいと考えておりまして、就職先としてはソフトウェア会社がある山形市を中心に考えていたんですね。その就職活動を通してこちらの会社の存在を知りました。それまでは、私の地元に近い新庄市に自分の希望に沿う業務内容の会社があったとは知らなかったので驚きました。早速入社を希望し、採用していただいたというのが入社するまでの経緯です。

◆入社後大変だったことは

 職業柄、開発スケジュールが立て込んできた時などには、帰りがどうしても遅くなる事もあります。
以前に、自分が中心となって開発を進めた仕事があったのですが、責任もありましたし、全体に目を配らなければならない役割でもありましたので、どうしても仕事が優先となり、その分家庭に負担をかけざるを得なかったこともありました。その時には、家族の応援やサポートがあって初めて仕事に集中することができるんだなと感じましたし、一番忙しかった時に、私に応援してくれた家族に感謝しています。
 また、そうやって製品を苦労して作り上げましたので、それが販売された後にお客様に好評だとの評判を営業部の方から聞いた時は、つい涙が出てしまうほど嬉しかったです。

◆後輩世代へのアドバイスを

 今ではすっかり慣れたのですが、新人の頃にはお客様に電話をかける時などに言葉遣いを間違えないようとても緊張していましたし、受話器を持つ手が震えていましたね(笑)。
 若い方には、学生の頃のインターンシップやアルバイトの経験を通して、お客様や目上の方への言葉遣いや挨拶の仕方、また名刺の交換など社会人に必須となるスキルをあらかじめ身につけておくことをお勧めしたいです。就職してからは色々と覚えなければならないことが増えますし、社会人の作法だけでも身につけておけば、慌てる思いをすることも少ないですから、その分早く本来の仕事を覚えるために自分のエネルギーを使えるようになると思いますよ。

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プログラミング作業

15e.jpgテクニカルセンターとの電話対応