09b.jpg代表取締役社長 金田孝司さん

若者を支えることが地域の未来に繋がる
~地域の基盤であるインフラを支える~

◆どのような会社でしょうか

 当社は、総合建設業として公共工事から民間工事などあらゆる分野を手がけています。基本的には町や地域のインフラの土台を整備するのが建設業ですので、地域がある限り仕事が途切れるということはありません。
さらに災害時には復旧のためにいち早く駆けつけますし、復興に関しても実際に力になれますので、常に地域のみなさんが安心安全に暮らしていただくための、インフラ作りで下支えをしているのが我々建設業界だと自負しています。当社は地域の皆様と共に歩んできて創業以来85年が経ちました。

◆建設土木業と地域の関わりは

 建設土木業は、今までは地域農産品の代表格である米等を作っている農家の方が、繁忙期以外の時期に作業員として働きに来て収入を得て、会社としても作業員の増員につながり、互いにマッチしていた面があります。ところが、公共工事費の減少と共に最近の国際貿易の状況変化により今後は農家の後継者も減少していくことなど、建設業界と農家の両側面から、このマッチしていた従来の形が変化していくことは避けられないのではないかと思います。
 ただでさえ若い人の定着率が低いこの地域で産業の構造が変化していけば、兼業農家を辞めて他の仕事に就く農業者が増えますから、今後は作業員が不足し公共工事の受注が困難になる等、経営の規模を縮小せざるを得ない建設業者がでてくるのではないかと憂慮しています。

◆建設技術者を目指す若者は

 今、地方で就職したい学生は多いですが、我々のような技術職では、途中で異業種に転職してしまう若者もいます。工期と予算を厳守しながら作業事故を起こさないように配慮し100人単位の職人や作業員を動かして、会社に利益をもたらさなければいけません。
 また、常にノウハウを積み重ね高度な職業的知識も必要です。各々が現場の責任者として社長職のような立場ですから、こういう重圧に負けてしまうんですね。会社としては、同僚や上司と常にコミュニケーションをとり、一人で悩むことがないようにサポート体制を整えることを心がけています。
 また、建設土木技術者を志すには、会社としては、気持ちの強さや学習への意欲など高い資質を求めますから、どうしても高等教育を受けた方が有利になる場合があります。

◆最上には大学がありません

 4年制大学が無い最上地域の若者は、自分の能力やスキルを高めよう、または興味を深めたいと大学進学を志した場合には、地域外に出るしかありません。また、学んだ事を活かし、将来は高い給与を得ようと考えた場合に、それに見合う仕事が地元にあるのかといったことが、高等教育を受けた若者が地元に戻りたくても戻れないというケースに繋がっていると思います。

◆この状況を変えるにはどうすれば

 例えば、我々のような企業が業界を挙げて資金を集め、奨学基金を設けることはどうでしょう。
中学や高校の段階で、将来は建設技術者になるという方向を決めたのであれば、基金からの奨学金を使って教育を受けていただき、そのかわりに学び終えた後は地元に戻り、知識を活かしてもらうといった仕組みを作ることがこれから求められると思いますね。これは、例えば定期的に仕事があるわけではないが全く違う業種に行くことも難しい左官業に従事している若者にも応用できます。
 彼らの技能を活かしさらに高めるため、職能学校に通う資金として使うなど、これが実現すればその社会的意義は大きいと思います。そういった基金に資金を提供した場合はそれを法人税の一部とみなしていただくなど、税制面からも参加のインセンティブを図れば、企業は積極的に考え始めると思いますよ。
 若者の人口減少や地方の活性化を本気で考えるのであれば、官学民を挙げて仕組みや制度を作っていかなければ、解決はおぼつきません。国は今ふるさと創生を謳っていますが、何かしら有効な仕組みを実行し、実際に若者が地域に戻らなければ、創生はありえないと思います。


09c.jpg土木課係長 菅 真也さん

◆どんなお仕事ですか

 一般には現場監督と呼ばれますが建設現場の様々な準備や施工管理全般を担当しています。具体的には、工事前の測量や、実際の作業が始まってからの進捗管理、発注者側との打ち合わせの他にも、日々発生する様々な事にも対処します。常に現場の全体を見て、発注と現場作業員との間の調整を行い、計画通りに工事が完了するように管理する役割ですね。

◆作業前から始まっているんですね

 はい。工事の内容によりますが、現場事務所が必要な場合には、土地を借りてプレハブを設置することや、工事について地元住民の方々に説明をすることも担当します。また、工事対象箇所の状況を調査して、必要書類を作り提出することもとても大切な仕事ですね。

◆すごく大変な仕事ですね

 大切な役割だと思っています。工事の内容に比べて工期が短めな場合には特に気を遣いますね。
 例えば、今行っている肘折の現場では雪の問題がつきまといます。そういった天候や環境から工事全体が受ける影響も大きいですし、関わる人の健康状態も含めて、現場を受け持っている間は気は抜けません。
物資が届く日であれば、実際に運べるかどうかを納入業者の方が朝に段取りを決める前に、現場監督である私たちが状況を把握して関係者に知らせる必要があります。
 そのように、常に変化に応じて、工事全体をパズルのように組み立てて完成させていく感覚ですね。

◆どんな時にやりがいを感じます

 肘折の希望大橋も担当しましたがこれは地滑りに伴って急遽必要になった工事で、短工期の中、肘折の方々の生活ルートを確保するために、何としても開通しなければならないという非常に厳しい仕事でした。関係者全員が一丸となり必死になってあたりましたので、やり終えた時にはみんな涙が出ていましたね。私も、この時ほど自分の仕事が直接に人の役に立っていることを強く実感できたことはありません。
 土木というときつい、危険といったネガティブなイメージもあるかと思いますが、このように仕事が目に見える形になって社会に役立っているという実感をダイレクトに味わえる職業ですから、やりがいは十分に感じられます。若い人にはこういった業種にもぜひ目を向けて欲しいと思います。

◆最上地域はどんなところでしょう

 何より災害が少ないですね。ここ数年は大きな地震があったり、大雨や土砂崩れもあるなど、全国規模での自然災害が続いていいますが、最上地域に限って言えば大きな災害は少ないという印象があります。雪は確かにたくさん降りますが、住めば都と言いますか、冬が始まれば諦めもつきますし(笑)。普段の生活では、町中での買い物も十分に事足りますし、子どもの通学にしても不便さは感じません。確かに都会に比べれば田舎なのは間違いありませんが、住むにはとても良い場所だと思いますね。でも、そういった最上の住み良さがきちんと伝わっていないのかな。私が住んでいる地域でも若者が減っていますから、人口減少を実感しますね。

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建設現場の状況見回り

09e.jpg必要書類の作成