64b.jpg工場長 竹澤満寿男さん

最上の女性の力をもっと引き出したい
~幅広い品種へ対応することが競争力の源~

●どのような会社でしょうか

 当社は、圧着端子と工具の販売及び加工を行っております。圧着端子とは、電気配線で電線をつなぐ時に使う部品です。電線の末端に端子をかぶせてペンチでつぶし固定するものです。
 当社は、もともと圧着端子などの販売、工具の修理を主な事業としていたのですが、取り引き先からの端子にリード線を付ける加工もしてほしいというニーズに対応するため、加工も手掛けるようになり、現在の業務の形になりました。当工場は、東京にあるパスカルエ業の山形工場として、1977年4月に操業を開始しました。

●山形工場開設の経緯は

 当時、舟形町内では女性が働く場所として縫製工場が多くありました。父と私は、縫製以外の仕事でも地元の女性が働ける仕事を起こしたいと考えていました。ちょうどその頃、東京の本社の社長が私の伯父と知り合いだったという縁があり、「山形に工場を設置してみたら」という提案をいただいたことがきっかけです。
 私は、操業開始の半年前から本社工場に研修に行きました。学んだことをこの山形工場で実践することから始まり、工場長として今年で42年目になります。

●長年操業していますね

 はい。リーマンショックの時でさえも仕事がなくなることなく、従業員を解雇したり休業させたりしたことはありませんでした。端子は目立たない地味な分野の部品ですが、電気配線がある限り必要とされるものですので、景気の変動に動かされにくく根強い産業と言えます。
 価格を安くするために、端子の種類を限定して大量加工生産にシフトすれば、海外メーカーとの競争が激しくなることが考えられます。その点、当社の方針により、取り扱う端子の種類は幅広く、加工設備も柔軟に対応できるように豊富に揃えています。そういった幅と対応力が当社の強みだと考えています。

●女性が多い職場ですね

 そうですね。女性は出産の時にどうしても仕事を休まなくてはなりません。それを理由に辞めてしまったり、お子さんが小さい頃など、会社を休まざるを得ない人もいます。
 当工場は、もともと地元の女性が働きやすい場所をつくるという目的で始めました。ですから、女性社員が出産や子育てを理由に休む時には、極力その希望に沿うことで女性が働きやすい職場を実現しています。
 また、入社を希望する人についても、「働きたい」という強い意欲を持っていれば、資格や経験はまったく問いません。「やる気」さえあれば仕事は必ず覚えられます。子育て中のお母さん方の働きやすい職場であるために、定時で終了し休日はしっかり休む勤務体制や、急病や行事など、子育てに関する休みについて気軽に相談ができる仕組みを作っていくことが、女性の力を引き出すために企業として行うべき大事な点だと考えています。

●どんな人に来てほしいですか

 男女問わず言えることですが、地元に暮らしの根を張り、「ここで頑張っていくんだ」という覚悟が決まっている人であれば、その他特に求めることはありません。当社の従業員は、年齢層も幅広いのですが、特に若い人は、知識の吸収が早く器用ですし、丁寧に仕事をこなしてくれる方が多いですね。従業員にとって気持ちよく、楽しんで働ける峨場であれば、自ずと会社が求めるレベルの仕事を行ってくれるようになります。
 会社は社員の働きやすさや、やりがいのある仕事をするための環境作りに尽力し、社員はそれに仕事で応える。そういった好循環の関係が、会社の発展のために大切なことだと思います。それがゆくゆくは地域貢献に繋がっていくと考えています。


64c.jpg2012年入社 土田明日香さん 2012年入社 沼澤紘子さん 2012年入社 藤本真希さん

●どんな仕事を担当していますか

【土田】  注文の図面に従って端子や電線を加工する仕事を担当しています。加工は、1本の電線を決まった長さに切断しますが、電線の種類が多いので、太さや性質などをオーダーに合わせて切る間違えずに切る必要があります。
 仕事を始めた頃は「間違ったらどうしよう」とプレッシャーを感じたこともありましたが、今ではすっかり慣れました。万一ミスしてしまったとしても、検品の工程で発見する体制が整っており、最終製品に影響が出ない仕組みになっています。

【藤本】  機械で切られてきた製品を検査する仕事を担当しています。入社してから、各部署や工程を回って仕事を覚えてから、配属先が決まりました。担当が変われば、扱う機械も変わり操作法も変わりますので、それをしっかり覚えて作業に慣れるまで少し時間がかかりました。

【沼澤】  製品の納期が迫る中、勤務時間内に完了させた時にはやりがいを感じます。中には、何とか今日中に終わしてほしいという急ぎの注文もあります。それに対応できたときはまずほっと安心します(笑)。

●入社のきっかけは

【土田】  三人とも舟形町に住んでいますが、町内にどんな会社があるのか知りませんでした。ハローワークでいろいろ調べ、近くにあるこの会社を選びました。

●働いてのご感想は

【沼澤】  製造業で朝9時開始の会社はそう多くはないと思います。それに、子どもの病気や学校行事など、急なお休みにも快く対応していただけますので、女性にとってとても働きやすいですね。この峨場は、上司もやさしく話しやすい雰囲気を作ってくれます。働きやすい環境で恵まれていると思います。

【土田】  子育て中の人が、休みの調などで融通してくれる職場はまだ少ないと思います。女性に限らず、子育て中の方や、仕事と介護をしている方にとって働きやすい会社が、これからもっと増えてくれるとありがたいですね。

【沼澤】 今、娘が進路を決める時期にさしかかっています。親としては地元に残ってほしいのですが、本人の希望を満たす職種が少なく、悩んでいます。若い世代が仕事を選ぶ際の選択肢がもっと増えてくれたら嬉しいですね。

 

【先輩からひと言】
製造業は男性が多いイメージがありますが、女性も多くの方が働いています。小さな製品を造る業種では、手先の細かい作業や丁寧さが求められ、女性が活躍する場も多いのです。

【おしごとPoint!】
職場の同世代の同僚とは、仕事以外の話や子育てに関する情報交換もできます。とても大切な仲間なんですよ。